＞＞まさかの大抜てき。まだ海外経験の少なかった吉田を
、秘密兵器として選んだのだ。
＞＞いや、よし、やるぞっていう
、
それはもう意気が湧いてきましたよね。
代表になって以来、アリエフとい
う選手の試合を見るようにして、
対策を自分なりに考えたんですよ
ね。
＞＞会長の期待に応えたい。
吉田さんは、厳しい練習と５キロ
の減量に挑んだ。
しかし、
その無理がたたったのか。
＞＞金メダルへの秘密兵器として、
東京オリンピックのメンバーに大
抜てきされた吉田。
しかし。
＞＞どうした？吉田。
大丈夫か？
＞＞試合を目前に熱を出し、寝込
んでしまう。
＞＞会長、すみません。
＞＞体調管理は、選手にとって基
本中の基本。
もう八田会長の期待には応えられ
ない。
＞＞当然怒られるなと。
八田会長から大目玉食うなと思ってましたね。
＞＞しかし。



＞＞ちょっと待ってろ。
＞＞しばらくして戻ってきた八田
会長の手には。
＞＞おかゆを作ってもらった。
食え。
＞＞会長、でも。
＞＞減量している状況で、おかゆ
でも食べるということは、
もうあした、あさってが試合ですから、
もう計量に引っかかっちゃいます
んで。
＞＞食べてしまえば、もう金メダ
ルはない。
その時。
＞＞お前の体が一番大切だ。
もういいから。
しっかり食え。
＞＞お前の体のほうが大事だ、金
は諦めたから、めしを食えって、
こういうこのことばは、普通のコ
ーチで指導者では言えないですね
。
＞＞誰より勝利にこだわってきたはずの男が、まるで親のように見
えた。
結局、
会長が帰ったあとも、おかゆには
口をつけなかった吉田。
しかし、
会長の思いに応えたいという気持ちが、奇跡を呼ぶ。
＞＞よし、いける！

＞＞無事、復活した吉田は、
病み上がりとは思えない勝ちっぷ
りで勝ち進んだ。
そして準決勝。
ついに絶対的王者、ソ連のアリエフとの対戦。
見たこともない日本人を相手に、
戸惑うアリエフ。
一方、
アリエフを研究し尽くしていた吉田。
力ずくで引き寄せるときに体重が
後ろに残るという癖を見抜いてい
た。
そして。
得意技の片足タックル。
無名の日本人の番狂わせに世界が沸いた。
＞＞ソビエトのアリエフを日本選
手として初めて下す殊勲を挙げ、
決勝では…をチョウをタックルか
らニアフォールに持ち込み、
圧倒的な判定で金メダルを獲得し
ました。
＞＞こうして日本の秘密兵器は、
見事会長の愛情に応えたのだ。
その後も数々の輝かしい成績を残
した八田会長。
今や世界に誇るレスリング王国と
なった日本だが、取り巻く環境は
変わりつつある。
＞＞今は、体罰とか、
パワハラとか、レスリングを含め

て、いろんなスポーツで、
今そういうことがいわれてますけ
ど、でも八田イズムの中には、お
互いのコミュニケーションがね、
ちゃんと意思の疎通が取れてれば、多少のげんこつ一つもらったっ
て、
決してパワハラにはならないというふうに私は思いますけどね。
＞＞東京オリンピックまであと２
年。
真のレスリング王国の復活には、