2018/10/20(土) 19:00〜19:45 地球ドラマチック▽あなたの知らないフィレンツェ〜3Dで再現!ルネサンスの栄華[二][字]
かなりの高さを階段で上ります。
この大聖堂は 成長する
フィレンツェの力を誇示する目的で→
1296年から建造が始まりました。
しかし 誰も巨大なドームを造ることができませんでした。
そのような技術は ローマ帝国の
滅亡と共に失われていたのです。
建物の大半は
1418年までに完成しましたが→
大聖堂にはドームがなく
聖堂内は 風雨に さらされていました。
メディチ家を含む有力者たちは→
この問題を解決できる人物を見つけるためコンペを開きました。
フィリッポ・ブルネレスキという人物が
名乗り出ました。
しかし 彼のプランは
ある意味 魔法のようなものでした。
なぜならブルネレスキは ドームの
具体的な建造方法を教えようとはせず→
「とにかく自分を信用して 任せてほしい」
とだけ言ったからです。
おもしろい話があります。
ブルネレスキは競争相手 全員に こう言いました。
「皆さんは
この卵を皿の上に立てられますか?→
もし できるなら 私は手を引きます」。
しかし 誰も立てることはできませんでした。
そこでブルネレスキは
卵の下を潰して立てました。
競争相手から「こんな方法なら私たちでも
できた」と不平が出ると 彼は言いました。
「だから私は方法を教えないのです。→
私を信じてくれさえすれば不可能を可能にしてみせます」。
建築家としてのキャリアがなかった
ブルネレスキが→
ドームの建造を
手がけることになりました。
しかし 彼は具体的な設計案を
決して他人に明かしませんでした。
そのため ドームが
どのようにして造られたのかは→
今も謎に包まれたままなのです。
最新のスキャン技術が 600年前の謎を解くヒントを与えてくれるかもしれません。
現代の建築学や工学における
基本的な手段である スキャン技術を→
過去の建築に応用するわけですね?
(マット・ショー)今は地上をスキャンしていますが→
これから上のドームまで見ていきます。
それによって目に見えない構造も探り出し→
物理的に行けない空間も
3Dモデルとして再現できます。
♪♪~
フィレンツェから およそ80キロ離れたピサの街に→
謎を解くヒントが隠されていました。
「ピサの斜塔」は イタリアを代表する建築物の一つですが→
もともとは ピサという都市の力を
誇示する目的で造られました。
ピサは 11世紀から12世紀にかけて
海洋貿易で大きな発展を遂げ→
自らをローマに次ぐ偉大な都市だと
考えるようになりました。
それを示す方法が ライバル都市にはない
巨大な建築物を造ることでした。
建築物の立派さを競うことで
自分たちの力をアピールしていたんです。
ピサの斜塔の建設は フィレンツェの
大聖堂建設に先駆けること→
100年以上前の 1173年に始まりました。
大聖堂の鐘楼の役目を果たす塔です。
スキャンチームも作業を開始しました。
スタッフが背負うリュックには→
5つのカメラと 2つのスキャナーが
組み込まれています。
チームが いくつもの施設全体を
スキャンする間に→
スコットは斜塔に上ることにしました。
歩いて上っていると感覚が おかしくなります。
体はバランスを取るため
壁のほうに寄りかかり気味になり→
その一方で 円を描きながら
らせん状に上がっていく。
はあ。 外の光が見えると
やっと ふだんの感覚を取り戻せます。
塔は8層から成り
現在の傾きは およそ4度です。
3Dスキャンによって
塔の骨格のイメージが明らかになります。
中世の建築家たちが
傾きをどう直そうとしたかも→
分かるかもしれません。
3層まで できた段階で 塔が傾いていることが明らかになりました。
やわらかい粘土と 砂まじりの地盤が
基礎を不安定にしていたのです。
工事は およそ 100年間 中断され
新たな解決策が考案されました。
傾きのバランスを取るため→
4層から7層にかけて片方を短く造ったのです。
もちろん
根本的な解決策とはなりませんでした。
信じられないことが2つあります。