2018/10/20(土) 19:00〜19:45 地球ドラマチック▽あなたの知らないフィレンツェ〜3Dで再現!ルネサンスの栄華[二][字]


建物を解体して調べるしか方法は無さそうですね。
♪♪~
1436年 フィレンツェのドームはついに完成しました。
ローマのサン・ピエトロ大聖堂や→
ロンドンのセント・ポール大聖堂よりも大きく→
今日においても

世界最大のレンガ造りのドームです。
ブルネレスキのドームは
フィレンツェを有名にし→
創造性と革新性のうねりを
巻き起こしました。
メディチ家の野心と権力も
さらに増大し→
大聖堂以外にも さまざまな建物を
フィレンツェに建設していきました。
3Dモデルによって
その実態が明らかになります。
この建物は メディチ家の邸宅
「メディチ・リッカルディ宮殿」。
石を積み上げた構造を見てください。
1階の部分はまるで要塞のように見えます。
どんな攻撃にも耐えられそうですね。
ヨーロッパ中世の王家と違い→
メディチ家の富や権力には
絶対的な正統性がありません。
そのため彼らは さまざまな策を講じて
自分たちの地位を誇示しようとしました。
外側は要塞のようですが
内部は優雅に洗練されています。
メディチ家の2つの顔を


表しているかのようです。
彼らは その2つの面を
民衆に見せるようにしていました。
中庭に通じる通路は 常に開かれていて→
人々は中央にあるドナテッロ作のダビデ像を見ることができました。
ローマ皇帝の像などもです。
メディチ家が自分たちをどう見せようとしていたかを→
うかがい知ることができます。
メディチ・リッカルディ宮殿は→
コジモ・デ・メディチによって
建てられました。
彼は メディチ家の政治的基盤を
築き上げた人物です。
そのころ
メディチ家の人間は→
まだ 政治権力の座には
就いていませんでしたが→
銀行取引を通じて
すでに権力をほしいままにしていました。
ここは メディチ家だけの
プライベートな礼拝堂です。
フレスコ画は ゴッツォーリという画家が
1450年代に描いたものです。
宗教画の有名な画題
「東方の三博士の旅」を→
トスカーナの田園地帯を舞台に
移し替えて描いています。
見てください。 トスカーナらしい砦と
整えられた庭が見えます。
さらに この絵には

メディチ家の人々も登場しています。
左のほうには
ロバに乗ったコジモが描かれています。
権力者のコジモが つつましいロバに
乗っているとは すばらしい象徴です。
その隣には
彼の息子ピエロが馬に乗っています。
そして孫のロレンツォ。
彼は金色に塗られた上に 金箔まで貼り付けられて 光り輝いています。
この絵は いわば
理想化された寄せ集めの世界です。
宗教 トスカーナの田園地帯 フィレンツェ
そして もちろん メディチ家。
それらの要素を 全部 寄せ集め
まるで自分たちメディチ家が→
世界の成り立ちの永遠の一部
であるかのように描き上げています。
それは特に ピエロの馬具に書かれた
ラテン語に象徴されています。
「永遠に」という意味の言葉です。
この宝石のような部屋は→
宮殿の中でも 非常に奥まった
壁の中に造られています。
極めてプライベートで 安全です。
それというのも 彼らには「安全」を強く求める理由があったからです。
1478年 メディチ家の人間が
命を狙われる事件が起きました。
1人は暗殺されましたが
もう1人は この建物に逃げ帰り→
報復の準備を始めました。

この事件は ライバルのパッツィ家による陰謀でしたが→
彼らの味方をして メディチ家に
たてつく者は いませんでした。
その後 80人が捕らえられ
即座に処刑されました。
庁舎の一番上の窓から首をつるされ→
遺体は見せしめのためしばらくの間 放置されました。
ルネサンスの美の影には→
暗く残酷な面や 熾烈な競争がありました。
スコットたちは そんな