森昌子さんの内掛けは、ここにはありませんが、
同じ技法で作られたものを見せて
もらうことに。
こちらが十二代藤林徳扇先生が作
られた内掛け。
宝石をふんだんに使ったこん身の
作品です。
>>プラチナと金で。
>>プラチナと金。
>>お高いんでしょうね。
>>お値段気になる?
>>非売品なんで。
>>これ非売品?値段つけられな
い?
>>つけてもらっても、答えようがないですね、いいですとかだめ
ですとか、言いようがないですね。
>>値段つけられない?
>>つけられない。
>>このように宝石を使う技法を
発展させて、絵画も数々制作され
ていたといいます。
では今回の依頼者の絵は?
>>これ、
オリンピックのときやね。
>>そうですね。
>>オリンピックのとき?
のもの?ほう。
>>ここにほら、
吉兆五輪之舞と書いてあるから、どのオリンピックやろ。
各オリンピックにいろいろ先生出
してるからね。
そこから、このへんのことはね、
きょうたまたまね、次男の徳也先
生が、今、大徳寺でちょっと講演
会があって、それが今、
終わって、こっちに帰ってくる時
間だと思いますので、僕よりも次
男さんに聞いてもらったほうが、
確かやと思いますけどね。
>>徳扇先生の。
>>ご次男。
>>えー。
なんとたまたま十二代藤林徳扇先生のご子息がいらっしゃるとのこ
と。
>>ありがとうございます。
こちらが次男の藤林徳也さん。
現在、ハワイと京都を拠点に創作
活動をされています。
日本とハワイを行ったり来たり?
ーそうですね。
>>きょうは?
>>帰ってきました、きのう。
タイミングが。
>>タイミングが。
>>きょう、
大徳寺にちょっと用事があったの
で。
>>そうですか。
いや、これはもう。
>>すごいですね、しかし。
>>こちらが絵の持ち主でござい
ます。
>>そうですか。すごいものをお
持ちですね。
これがオリンピックの五輪の輪になぞらえてあるんですね。
>>きっちょう五輪の舞と書いて
あります。
この五輪にこだわる理由っていう
のは何かあったんですか。
>>父が戦争に出て、つらい思い
をしたから。
二度と原爆はやめてほしいし。
>>戦争も経験されて。>>もちろんそうです。
その思いがあるから、今、
世界に美しいものを広めようと。美しいのであれば、戦争は行われ
ないだろう。
そういう理想ですね。
その理想を絵に託して、
描き上げてきたのが私の父ですね。
>>特にこの絵の特筆すべきとこ
ろはなんでしょうか?
>>一番、特徴あるのは、このバ
ックのキャンバスなんです。
>>キャンパス?
>>これが世界で初めて宝石を織ったキャンバスなんです。
>>いや、世界で初めて?
>>これ寝かしてるから、立てる
と変わりますけどね。
>>この夜明けの色がね、これね、
黎明という色なんです。
ちょっとそっち持っていただけますか?
>>こうこう?
>>この夜が明けてくる色ですね。
>>分かった、分かったぞ。
>>すごい!
>>夜が明けた、
ちょっと。本当だ!
>>ちょうど時間ですね、夜明け
の時間。
材料と技術ですね。