(隆盛)おはんの父じゃ。
よろしくの。
<明治2年 私 西郷菊次郎は→
生まれ育った奄美大島から
鹿児島の西郷家に引き取られました。→
世の中は 大きく動こうとしておりました>
(大久保)まず我らがなすべきは 古くて煩わしい武士の世を とっとと終わらせ→
中央に力を集めることです。
(木戸)しかし 事を急ぎすぎては→
必ず争いのもととなるぞ。
たとえ 不満の声が聞こえてきても→
今 ここで手を緩めるわけには
いかんのです。
<そのうねりへ
鹿児島に退いていた父 西郷隆盛も→
身を投じようとしておりました>
<そんな中 岩倉具視と大久保利通が→
勅書を携え 鹿児島へやって参りました。→
勅書には 久光は すぐに東京へ上り→
政府に力を貸すようにと
書かれていたのです>
(久光)臣 久光 ありがたきお言葉を賜り
恐悦至極に存じます。
天子様におかれ…。
(せきばらい)
天子様に…。
(せきこみ)
(忠義)お父上 いかがなされもした?
申し訳ございもはん。ここんところ 体の具合が…。
あ~っ! 何じゃ こん体はバカたいが!
岩倉様 こんありさまでは天子様のお力になるこつなど→
到底かないもはん。 どうか お許しを。
(岩倉)何じゃと?
(久武)国父様
よろしいのでございもすか?
(大山)国父様は
いつから ご病弱になられたんじゃ?
(海江田)さあ…。
こいは いかん。 ゴホッ。 海江田。
(せきこみ)
御免。
畏れ多くも天子様のお言葉じゃぞ!
♪♪~
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♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
♪♪~
仮病や! 仮病に決まっとるわ!
食えん芋やな!
岩倉様 畏れ多くも詔を賜ってまで→
あん国父様を東京へ呼ぼうちこいは どげな企てでございもすか?
それはやな…。
政府は ないか大きなことをたくらんじょっ。
そうじゃなかか? 一蔵どん。
(岩倉)たくらんでるて お前…。
じゃったら 言おうかい。
日本全国の藩を取り潰そうち考えちょっ。
大久保 今 なにも お前 こんなとこで
はっきり言うことないやろうが!
岩倉様 これから東京に呼ぶからには
全てを聞いてもらった方がよろしいかと。
今 全国の藩が
バラバラに行っている地方の政を→
藩を潰して政府が直接行うようにする。
<発足したばかりの明治新政府は→
深刻な財政難に陥っておりました。→
全国に約300ある藩は税の徴収権を握っており→
政府は それらを一手に収めようと
藩の解体を画策。→
世に言う 廃藩置県です>
いよいよ そこまでやる腹積もりじゃったか。
鉱山開発に鉄道の導入
異国に負けん国をつくるには金がかかる。
廃藩を直ちに行い
税を日本中から集めねばならん。
そんなこと
「はい そうですか」って聞く藩が→
どこにあんねん!? 久光なんか お前
その筆頭やないか! なあ?
(従道)[外:D4F0B6247BBB9102758D1F4A06506C9F]摩には
20万ともいわれる士族がおります。→
もし 不満を持った士族が
国父様を担ぎ出し 反旗を翻したら…。
吉之助さぁ こいは途中で降りられんど。
覚悟を決めてくれ。
う~ん…。
強か軍が要るのう。
反乱を起こす気もうせるほどの
強か軍が…。
一蔵どん。
一つ考えがあるんじゃが…→
天子様の軍を作ったら どげんじゃ?
天子様をお守りする名目で各藩から精兵を集める。
その威力をもって
天下に にらみを利かせっとじゃ。
そいを おいが率いもんそ。
有力諸藩の兵力を敵対させることなく→
味方に引き入れるっちゅうことですな?