カメラを構えて 4時間が経過しました。
午後10時45分。
カメラに オーロラがうっすらと映り始めました。
とても いい兆候です。 興奮しますね。
これは低速度で撮影された空の映像です。
夜空全体に緑色の光が広がり→
幾筋もの帯が連なるように輝いています。
まるで緑の照明灯が
地平線から空を照らしているみたい。
一体 何をきっかけにして
こうした光が現れるのでしょうか?
実はオーロラは 常に地球のどこかで
数時間ごとに輝いています。
ところが およそ10年に1度の割合で
通常とは全く異なり→
地球の広い範囲で
発生することがあるのです。
現れる時間も場所も予測不能で→
熱帯のキューバの空に現れたことさえあります。
北極のオーロラが
なぜ熱帯の空に現れたのか?
極めて珍しい現象についての研究が
進められています。
宇宙科学者のニッキー・フォックスは
なぜ オーロラが→
通常ありえない場所に
現れることがあるのか→
解明しようとしています。
オーロラを見たければ普通は北へ向かいます。
寒い地域では 毎日のように
オーロラが発生しています。→
ところが ごくまれに
太陽の強力な活動に影響され→
オーロラが
赤道付近に現れることがあります。
フォックスは
NASA・アメリカ航空宇宙局で→
観測史上 最も珍しいオーロラの一つを
研究しています。
2003年の秋 太陽の表面で
大規模な爆発が発生しました。
その数日後
巨大なオーロラが出現したのです。
巨大なオーロラの背景には→
太陽の表面で発生した大規模な爆発があります。
大規模な爆発によって生じた太陽嵐は→
何十億トンもの物質を→
宇宙空間に放出します。
太陽から放出された物質は→
時速何百万キロメートルもの速さで
宇宙空間に拡散します。→
地球に影響が及ぶのは
太陽嵐が観測されてから2~3日後です。
太陽嵐の影響で
ふだん見られない場所に→
オーロラが現れたのです。
夜の11時でした。 真っ暗なはずなのに→
窓の外が
夕暮れのように明るくなったんです。
驚いて北の空を見上げると
赤い色をしたオーロラが見えました。
フォックスは
アメリカ東部のボルティモアで→
オーロラを目撃しました。
なぜ 太陽嵐は通常より はるか南の空に→
オーロラを発生させたのでしょうか?
太陽嵐には磁場があり地球にも磁場があります。
それぞれの磁場が 逆の方向性を持つ時
2つは結び付きます。
太陽嵐の磁場と地球の磁場が結び付くと→
膨大なエネルギーが地球の上層の大気中に放たれます。
解き放たれたエネルギーは→
北半球の広い範囲を包み込むほどのオーロラを発生させます。
すると 通常は暗い夜空の部分が
明るく照らし出されるのです。
しかし 太陽嵐は 各地にオーロラを
発生させるだけではありません。
エネルギーが大きすぎると→
停電や通信障害を引き起こすことがあります。
空にオーロラが現れてからでは
障害を防ぐには遅すぎます。
太陽を
24時間体制で観測することが必要です。
アメリカ南西部
ニューメキシコ州の空軍基地には→
太陽嵐を観測し
警報を発する部署があります。
太陽嵐は
衛星やGPSの通信 送電網を妨害します。
この部屋では地球にとって
危険度の高い太陽の活動を→
常に監視しています。
(グロワッキ)世界は もっと太陽の活動について警戒すべきです。
太陽嵐が地球に接近すると
空軍全体に向けて警報が発せられます。
もちろん 大気中にオーロラが
発生する前でなくてはなりません。
日の出から日没まで
太陽を観測しています。→
表面で大規模な爆発を確認したら