大きく変化することが分かってきました。
でも まだ 謎は多いです。
科学者たちはオーロラの秘密を解くカギを→
一つ一つ 発見しています。
しかし 発見とともに新しい謎も生まれます。
2016年 夜空に伸びる
紫色の光が目撃されました。
それまで 誰も見たことがない
新しい光でした。
新しいタイプのオーロラが見つかると→
発見者に名前を付ける権利が与えられます。
紫色の光は
「スティーブ」と名付けられました。
カルガリー大学のエリック・ドノヴァンは
30年間 オーロラを追跡してきました。
最新の研究テーマは
スティーブの原因を調べることです。
ドノヴァンはスティーブの紫色に
秘密を解くカギがあると考えています。
炎には オーロラの謎を解く
ヒントがあります。
たき火によって オーロラが→
さまざまな色彩を帯びる理由を説明できます。
火が燃えて輝く現象と
大気が光る現象は→
同じ原理に基づいているからです。
(ドノヴァン)これはプロパンガスのバーナーです。→
着火すると 炎は常に青い色になります。
炎の色を決める要素の一つは燃えている物質です。
物質ごとに 燃える時の色が異なります。
ここに 炎の色を変えられる物があるのでたき火にくべてみましょう。
いろんな物質が混ざっているので
青や紫 緑色の炎が生まれます。
青く燃えるのは塩化銅。
緑色は硫酸銅です。
同じように 大気の上層にある
さまざまなガスが→
オーロラの鮮やかな色彩を
生み出しています。
通常 オーロラには
いくつかの色の層が見えます。
一番下に紫色 その上に緑色→
更に その上に赤い色が見えます。
さまざまな色の層によって→
上層にある大気の状態や構造を知ることができるんです。
オーロラは 宇宙から大量に降ってくる
電気を帯びた粒子が→
地球の上層の大気にぶつかった時に
光ります。
異なる物質が異なる色で燃えるように→
大気中のガスがさまざまな色の輝きを生み出します。
オーロラの一番下で紫色に輝くのは
窒素です。
その上では 酸素が
緑と赤の 高さ400キロにも及ぶ→
光のカーテンを作り出します。
更に 高感度カメラは水素の青い色も捉えます。
つまりオーロラは
空高く伸びる 壮大な色彩の層なのです。
では スティーブはどうでしょうか?
オーロラの色彩についての原理をもとに→
不思議な紫色の光 スティーブについても
解明が進んでいます。
ドノヴァンは
アマチュアのオーロラハンター→
クリス・ラズラフと合流しました。
ラズラフはいち早くスティーブを発見した一人です。
カナダ西部で
他のオーロラハンターたちとともに→
活動しています。
スティーブは 非常に興味深い光です。
(ドノヴァン)ええ
写真が とても美しく撮れていますね。
科学者として 初めて見る光です。→
典型的なオーロラではありません。重要な新発見です。
実際に見てみたい。 行きましょう。
(ラズラフ)ええ 探しましょう。
ドノヴァンは特殊な装置を用意しました。
オーロラの光を それぞれの色の要素に分解できるカメラです。
これは オーロラの光のスペクトルで→
真ん中辺りの緑のラインは酸素の存在を示します。→
スペクトルは各オーロラの特徴を示す
いわばオーロラの指紋です。
スティーブと同じ色のオーロラが現れれば
その光を分析して→
スティーブが
どんな物質でできているのか→
明らかになるでしょう。
しかし 天気が思わしくありません。
(ラズラフ)どうしましょうか。
このカメラを預けるのでぜひ あなた方のグループで使って下さい。
夜 空にスティーブが輝いていたら
これでスペクトルを調べるんです。
このカメラが5台あれば 私たちの仲間が
必ずスティーブの画像を捉えるでしょう。
すばらしい。 期待しています。
ええ。
スティーブの追跡は→
オーロラハンターたちに引き継がれました。
ドノヴァンは