2018/11/05(月) 22:25〜23:10 プロフェッショナル 仕事の流儀▽傷ついた親子に幸せを〜小児神経科医・友田明美[解][字]
いわゆるDVを見ただけで→
子どもの視覚野が萎縮することも
明らかにした。
昨年度 全国の児童相談所に寄せられた
相談件数は 過去最多を更新。
友田さんに助けを求める親は
増える一方。
パンク寸前の状態が続いている。
どれだけ手を尽くそうとも→
子どもたちから つらい記憶を
消してあげることはできない。
それでも友田さんは
一つのことを信じるからこそ→
今日も 親子と向き合う。
おひさ!
♪♪~
友田さんの研究によると傷ついた脳は→
その後のケア次第で回復することが
徐々に分かりつつある。
でも それを科学的に証明するのは
まだまだ先の話。
ヤッホー。
この日 中学1年生の男の子が診察に訪れた。
同級生に暴言や暴力を振るうなど→
感情のコントロールができなかったため1年前から通院している。
脳の画像解析の結果→
人からほめられると反応する脳の働きが極めて乏しいことが分かった。
幼少期 マルトリートメントを
受けたことによる→
「愛着障害」と診断された。
友田は 息子への接し方が分からず困り果てていた父親を→
この一年間 支えてきた。
男の子は 複雑な家庭環境で育った。
3歳の時 両親が離婚。
母親に引き取られた。
だが 育児に行き詰まった母親から
ナイフで脅されるなど→
虐待を受け
10歳でネグレクトされた。
2年前 父親に引き取られた時には
心に深い傷を負っていた。
友田の診療を受け 父親が粘り強く
我が子と向き合い続けた結果→
着実に問題行動は減っていた。
だが 月に一度の児童相談所での面談の日。
(取材者)こんにちは。
こんにちは。
男の子は 突然
車に閉じ籠もってしまった。
きっかけは 父親との
ささいな口論だという。
15分後 待合室にやって来たものの→
父親を無視し床に寝転がるなどの行為を繰り返した。
回復しつつあると思ったやさきに
顔をのぞかせる 心の傷。
出口の見えない日々に
父親の心は すり減っていた。
またね。
ほんじゃあの。(笑い声)
10日後
友田は 親子を病院に呼んだ。
男の子の脳を画像解析し
回復を目に見える形で示すことで→
父親の背中を押したいと考えた。
どれだけ治療を施そうとも→
本当の意味で
この子を癒やすことができるのは→
父親しかいない。
♪♪~
(友田)はい どうぞ。
友田は 2人を診察室に呼んだ。
父親が どう変わったのか?
男の子に問いかけていく。
そういうことでしょうね。
息子の 確かな成長。
父親に 自信を持ってほしかった。
2週間後 画像解析の結果が出た。
黄色い部分が
脳の血流に変化があった場所。
7か月前とは 明らかに違っていた。
すぐさま 父親に電話をかける。
そして…
いやいや…
友田さんは 1960年 熊本生まれ。
何事も 決めたらやり抜くまっすぐな女の子だった。
そんな友田さんには
今も忘れられない出来事がある。
高校時代 仲の良かった親友が
ある日突然 学校に来なくなった。
自宅を訪ね
「待ってるよ」と励ますと→
「来週から行こうかな」と彼女は言った。
でも 学校にはなかなか戻ってこなかった。
大切な親友の力になれない自分。
心の奥底に 深く残った。
高校卒業後 友田さんは
熊本大学医学部に進学。
困っている人を救う医師を志した。
研修医になって1年目。
その人生を決定づける出来事が起こる。