◆先生の人間性もあるんですかね。
◆うーん、まあわからないですね。◆それはあると思うな。
数々の弟子を育ててきて、一番最初に来たお弟子さんという
のは？
◆村山聖という、
「聖の青春」って、映画、映画に
なった。
◆映画になったんですか？
それは何でまた映画に？
◆ちょっと若くして亡くなったん
で、
それで羽生さんと
当時はいい勝負をしてたということで。
そういう期待もあったからですね。

◆ということは、有力な。◆魅力があったですね、
その生き方が。
◆映画は
誰が主演を？
◆「聖の青春」は…。◆松山さんね。
◆松山さんというのは？


◆松山ケンイチさん。
◆おー！
先生、すごいじゃないですか。
◆主人の役は、
リリー・フランキーさん。
◆合うてるわ！
リリー・フランキー。
◆２０１６年に
映画化され、話題を呼んだ「聖の青春」。
題材となった村山さんは、天才羽
生善治と並び、
東の羽生、
西の村山と称されながら、
若くして難病に侵され、
２９歳の若さで
この世を去った天才棋士。
森先生は、
そんな村山さんを
中学１年生から預かり、親子のような間柄だったそうです。
◆すごいな。
そう思ったら。
長い人生ですから、いろいろあっ
て、
ほんなら、村山さんが
１番の弟子。
そこから立て続けにお弟子さん来
られたんですか。
◆ちょっと間があったんですけど
ね。
弟子が震災で亡くなったんで。

◆震災というのは、阪神の？
◆阪神・淡路大震災。
近くだったんですよ。
◆それは何？
責任という？
◆重みがちょっときつくなったの
で。
やっぱり…。
◆それは、こんなお話お聞きする
のもあれやけど、そのときは、
先生は、
どちらにいておられて？
◆僕は、東京で対局だったんです
よ。
いないんです。
◆東京のほうで対局してて。
◆いつも言われるんですよ。
いないって。
◆そのとき、そのお弟子さんは？
◆近くのアパートに。
◆アパートに住んでて、
アパートは…。
◆そうですね。
自分の弟子で住まわすのも
こっちに呼んだんで、
家の近くということでね。
呼んだんで、
ちょっとこたえましたね。
◆九州から
高校を中退してまで

森先生のところへやってきた
船越さん。
目の届くように
近くのアパートへ住まわせ、
さあこれからというときに起こっ
た大地震。
阪神・淡路大震災で
弟子を失った森先生は、自分を責
め、
もう弟子はとらないと、心に決め
たそうです。
◆むちゃくちゃ強くはなかったん
ですけど、
根性はあったので、
すごくいい子で、お世辞じゃなくて、
棋士になったと思いますね。
◆プロになれたら。
でも奥さんも言うたら
お弟子さんって考えたら、
子供みたいなもんじゃないですか。◆そうですね。