2018/11/11(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「見えないものが見える川〜奇跡の清流 銚子川〜」[SS][字]


こんなふうに分かれていたんですね。
ゆらゆら帯は ほかの川にもあるはずです。

しかし 水が濁っているので見えません。
河口まで透き通った銚子川だからこそ
見える現象なのです。
♪♪~
潮が満ちてきました。
海水は 更に上流へと遡っていきます。
特に大潮の日は 満潮で水位が1メートル以上 上がり→
膨大な海水が流れ込みます。
すると またも不思議なことが。
ほら! ゆらゆら帯の先端が→
動いていくのが分かりますか?
画面右側が 海水。
左側が 淡水です。
海水が満ち潮によって→
川底をじわじわ遡っていたのです。
これも もちろん
普通の川では見えない現象。
まさに 見えないものが見えた瞬間でした。


ゆらゆら帯の先端で小さな魚の群れを見つけました。
5センチほどのアユの子どもたち。
海で育ったアユたちが川の上流を目指していたのです。
♪♪~
あっ アユが海水を抜け出し 淡水の中へ。
と思ったら また慌てたように
海水へ戻っていきます。
長い間 海水で育った体には
川の水は 居心地が悪いみたい。
ゆらゆら帯を行ったり来たりしながら→
徐々に体を淡水に慣れさせようとしています。
これも 汽水域が透明だからこそ
観察できる 珍しい行動です。
おや!
この群れ ゆらゆらする海水を出て…。
今 淡水の中へ。
今度こそ 大丈夫かな…?
アユの群れは上流を目指し
旅立っていきました。
♪♪~
汽水域には 海水と一緒にいろんな海の生き物が入ってきます。
川底の ゆらゆらする海水に茂るのは→
海草のホンダワラ。
その中に隠れているのも…
何かを狙っています。
見つけたのは これ。
おっと 動き出しました。
どこだ…?
いた!
見事 ビリンゴを捕らえたようです。

汽水域では こんなふうに海の魚と川の魚の戦いが→
繰り広げられているんです。
海の方向から 何か小枝のようなものが川へと流れてきました。
よく見ると これも魚。
ボウズハゼの子どもたちが逆立ちしているんです。
大きさは 3センチほど。
川で生まれて すぐ海に下り3か月ほど 海で育ったあと→
また川に戻ろうとしているのです。
海では横向きになって泳いでいたボウズハゼが 川に入ると…。
ほら 逆立ち。
不思議でしょう?どうしてだと思います?
実は これ
川を流れる小枝や枯れ葉をまねて→
敵の目を欺こうという→
習性らしいんです。
ところが ここは
何でも よく見えてしまう銚子川。
この作戦 本当に
うまくいくんでしょうか?
どうやら 川の肉食魚 ヌマチチブに
見つかったようです。
ボウズハゼ 果たして逃げられるか!?
間一髪 身をかわしました。
ボウズハゼは 汽水域で
半月ほど過ごします。
すると 透き通っていた体に
しま模様が出てきます。
この日 普通の川では見られない→
貴重な場面を 目撃することができました。
海で育ったボウズハゼが→

川の魚に変身する瞬間です。
逆立ちで川底に下りたボウズハゼ。
今 横向きに!
おなかの吸盤で 石に張り付きました。
この瞬間 ボウズハゼは逆立ちを卒業して川底をはい回る魚になったのです。
そして 上流に向かい
はるかな旅を始めました。
♪♪~
銚子川に 雨の季節がやって来ました。
この日 半日で85ミリという
大雨が降り注ぎました。
その時 銚子川は
驚きの姿を見せてくれました。
これほどの雨が降れば
普通の川なら 真っ茶色に濁るはず。
でも 銚子川は 青さを残したまま。
水中は うっすら濁っているものの川底の石まで くっきり見えています。
なぜ 銚子川は
大雨のあとも透明なのでしょうか。
その秘密を探るため