2018/11/12(月) 00:00〜00:45 地球ドラマチック「ビッグベン 世紀の大修復プロジェクト」[二][字][再]
ビッグベン。
大規模修復プロジェクトは
引き続き進行しています。
塔は今や空っぽです。
中に立ち入るのは大時計の手入れのために待機している時計整備士たちだけです。
かなり ひどい?
ああ。
整備士たちが 鐘を鳴らす機械の部品が
ひどく摩耗しているのに気付きました。
これを見て。 半分以上すり減っている。
これは まずいね。
放置すれば 鐘は
やがて鳴らなくなるでしょう。
しかし時計が動いている間は
手を付けられません。
注意しておく必要があるな。
ああ。
今まで見落としていた問題を
見つけました。
詳しく確認して 修復すべき箇所の
リストに加えます。
深刻な問題ですが 時計を止めるのは
簡単ではありません。
(ロバーソン)大時計を止めるのは
かなりの大ごとです。→
まず非常に多くの手続きを
踏まなくてはなりません。→
時計の管理官を介して議長に依頼し
下院上院の議題として上げてもらい→
議会の承認を得て
初めて許可が下ります。
しかし今回は修復プロジェクトの一環
として時計を止めることができます。→
修復を行うには理想的な状況です。
ビッグベンは19世紀のビクトリア朝時代に国会議事堂の一角に建てられました。
それは まさに大英帝国の中心に建つ
権力のシンボルでした。
産業革命以前 人々は日の出と日の入りを
頼りに生活していました。
しかし鉄道と工場の登場によって
全ては変わります。
「時は金」となり 人々の生活は
時計によって規則的なものになりました。
世界の標準時は
ロンドンのグリニッジに置かれ→
首都の中心で正確に時を刻むビッグベンは
「時計の王様」と呼ばれました。
時計台の建造は 世界中でブームとなり
パリのリヨン駅 カナダの国会議事堂→
イギリスの地方都市に至るまで
皆こぞって時計台を建てました。
ビッグベンの鐘は 重さ13.5トンを超え
音は およそ8キロ先まで届きます。
巨大な鐘は 高度な技術によって
生み出されました。
鐘が造られたのは 1858年。
ロンドンにある鐘専門の鋳造会社が手がけました。
キーイーは 鋳造会社の現オーナー
アラン・ヒューズのもとを訪れます。
ここが ビッグベンが
鋳造された場所ですか?
ええ。 この場所に
金属を流す型がありました。
地面を掘って型を作ったんですね。
ええ 巨大な穴です。
ここの地面に溝を掘り
熱いドロドロの金属が→
そこを通って流れ込む仕組みでした。
まるで火山のよう。そうですね。
溶岩みたいですね。
完成した鐘は ロープと滑車多くの人と 16頭の白馬によって→
ここからウェストミンスターまで
運ばれました。
ロンドンの市民たちは 巨大な鐘を
一目見ようと 通りを埋め尽くしました。
それほどまでに大きな鐘を造った理由は
何でしょうか?
鐘を鳴らした時の音量と
関係するからでしょうか?
言ってみれば ビクトリア朝の
プライドではないでしょうか。
「国会議事堂のために
巨大な宮殿を建設し→
大きな塔に
イギリス最大の時計を設置する。→
その時計は どこよりも正確に時を刻む」。
それが ビクトリア朝のプライドであり大英帝国の自信の現れでした。
力を誇示するために。
ええ そのとおりです。
ビッグベンの鐘の音は 1923年の
大みそかに 初めてラジオ放送され→
まもなく その音は大英帝国中に
響き渡るようになりました。
テレビなどで ビッグベンを見ても
そのままの姿にしか見えません。
見た目以上に重要なのは鐘の音ですよね。
ええ 音色ですね。
以前 オーストリアから鐘の製作者が
訪ねてきて→
一緒に ビッグベンを見学した時に