2018/11/12(月) 00:00〜00:45 地球ドラマチック「ビッグベン 世紀の大修復プロジェクト」[二][字][再]


新たなひびの兆候はありません。
1859年から変化なしということです。
総重量800トンもの足場が組まれ始めました。
それだけでも途方もない作業です。
時計台は高さが 100メートル近くあり足場で囲うだけでも 6か月かかります。
大変な作業ですね。
時計台は国会議事堂の一部のため→
地上から まっすぐに
足場を組むことができません。
ええ。
そのため周りの建物をまたぐようにして→
複雑な形に 足場を組んでいかなければ

ならないんです。→
さらに時計台の表面に直接
足場を固定することは禁じられています。
時計台の壁に穴をこじ開けて ねじで
留めつけることができないんです。
そこで どうしているかというと
足場が 風にあおられて揺れないように→
時計台自体を支えとして利用しています。
足場で時計台をぐるりと囲みビッグベンに寄りかかって→
揺れないように
しがみついている状態です。
ものすごいプロジェクトに
関わっていますね。
ビッグベンは
イギリスのシンボルですから。
ええ 自分でも信じられないほどです。
なにしろ ビッグベンはイギリスを象徴する建物であり→
議会民主主義のシンボルですからね。


本当に感激しています。
これから何年間か ビッグベンが
足場に覆われますね。
その間もイギリスの象徴としての役割は
果たすと?
(レック)ビッグベンを訪れる
観光客にとっては→
ショックかもしれませんが
ビッグベンを未来の世代へ残すために→
この修復作業を
行わないわけにはいきません。→
全ての文字盤を一度に覆うことはせず
常に一部が見える状態を保つ予定です。
また特別な時には鐘が鳴ります。
修復作業により ビッグベンの鐘の音が止められるという衝撃的なニュースは→
世界中を駆け巡りました。
(アナウンサー)世界中が ビッグベンに注目しています。
イギリスのシンボルが4年間
静寂に包まれます。
ビッグベンの鐘の音が止まります。
(アナウンサー)議会は大時計の鐘を4年間停止させると発表しました。
ビッグベンが4年間も鳴らないなんて
あるまじき事態です。
議論の末に イギリス議会は
現場作業員の聴覚へのリスクを理由に→
鐘を止める決定を下しました。
鐘を止めるのは 時計整備士のポール・ロバーソンです。
重要な日ですね。
ええ 特別な日です。
これだけのニュースになるとは驚きです。

世界中の人々が特別な関心を持っているんですね。
鐘の音が どれほど
大きな意味を持つのか。
関係者は もっと軽く
考えていたと思います。
どれだけ人々に愛されているかの
表れですね。
あなたも内心 寂しい?
そりゃ まあ当然でしょ。
しかし まだ時計自体は止めないので
針は動いたままです。
鐘の音を止めるのは 屋根の周りで
修復作業にあたる人たちに→
配慮してのことです。
ええ。 その必要性は よく分かります。
ものすごい音ですからね。
鐘がたたかれず 音が響かないのはかなり奇妙な感じでしょうね。
時計は動かなくなったら終わり。
時を刻んでこそ意味があると思います。
心臓が鼓動するようにね。
ですから これからしばらく寂しいですね。
まもなく12時。 ビッグベンが
最後の鐘を鳴らします。
歴史上 最も長期間にわたる
ビッグベンの沈黙の始まりです。
(鐘の音)
♪♪~
(歓声)
あの歓声 すごいですね。予想していましたか?
これほど大勢の人が集まるとは。

これは始まりの合図ね。
ええ 始まりです。
後戻りはできません。
さあ 作業開始だ。
ああ。
すばらしい一日でした。
最後の鐘の音が消えるとともに歓声が沸き起こり→
時計台は特別な空気に包まれました。
カウントダウンして。君の合図に合わせる。
(スミス)了解。