こんなふうに分かれていたんですね。
ゆらゆら帯は ほかの川にもあるはずです。
しかし 水が濁っているので見えません。
河口まで透き通った銚子川だからこそ
見える現象なのです。
♪♪~
潮が満ちてきました。
海水は 更に上流へと遡っていきます。
特に大潮の日は 満潮で水位が1メートル以上 上がり→
膨大な海水が流れ込みます。
すると またも不思議なことが。
ほら! ゆらゆら帯の先端が→
動いていくのが分かりますか?
画面右側が 海水。
左側が 淡水です。
海水が満ち潮によって→
川底をじわじわ遡っていたのです。
これも もちろん
普通の川では見えない現象。
まさに 見えないものが見えた瞬間でした。
ゆらゆら帯の先端で小さな魚の群れを見つけました。
5センチほどのアユの子どもたち。
海で育ったアユたちが川の上流を目指していたのです。
♪♪~
あっ アユが海水を抜け出し 淡水の中へ。
と思ったら また慌てたように
海水へ戻っていきます。
長い間 海水で育った体には
川の水は 居心地が悪いみたい。
ゆらゆら帯を行ったり来たりしながら→
徐々に体を淡水に慣れさせようとしています。
これも 汽水域が透明だからこそ
観察できる 珍しい行動です。
おや!
この群れ ゆらゆらする海水を出て…。
今 淡水の中へ。
今度こそ 大丈夫かな…?
アユの群れは上流を目指し
旅立っていきました。
♪♪~
汽水域には 海水と一緒にいろんな海の生き物が入ってきます。
川底の ゆらゆらする海水に茂るのは→
海草のホンダワラ。
その中に隠れているのも…
何かを狙っています。
見つけたのは これ。
おっと 動き出しました。
どこだ…?
いた!
見事 ビリンゴを捕らえたようです。
汽水域では こんなふうに海の魚と川の魚の戦いが→
繰り広げられているんです。
海の方向から 何か小枝のようなものが川へと流れてきました。
よく見ると これも魚。
ボウズハゼの子どもたちが逆立ちしているんです。
大きさは 3センチほど。
川で生まれて すぐ海に下り3か月ほど 海で育ったあと→
また川に戻ろうとしているのです。
海では横向きになって泳いでいたボウズハゼが 川に入ると…。
ほら 逆立ち。
不思議でしょう?どうしてだと思います?
実は これ
川を流れる小枝や枯れ葉をまねて→
敵の目を欺こうという→
習性らしいんです。
ところが ここは
何でも よく見えてしまう銚子川。
この作戦 本当に
うまくいくんでしょうか?
どうやら 川の肉食魚 ヌマチチブに
見つかったようです。
ボウズハゼ 果たして逃げられるか!?
間一髪 身をかわしました。
ボウズハゼは 汽水域で
半月ほど過ごします。
すると 透き通っていた体に
しま模様が出てきます。
この日 普通の川では見られない→
貴重な場面を 目撃することができました。
海で育ったボウズハゼが→
川の魚に変身する瞬間です。
逆立ちで川底に下りたボウズハゼ。
今 横向きに!
おなかの吸盤で 石に張り付きました。
この瞬間 ボウズハゼは逆立ちを卒業して川底をはい回る魚になったのです。
そして 上流に向かい
はるかな旅を始めました。
♪♪~
銚子川に 雨の季節がやって来ました。
2018/11/14(水) 00:40〜01:30
NHK総合1・大阪
NHKスペシャル「見えないものが見える川〜奇跡の清流 銚子川〜」[SS][字][再]
「見えないものが見える川」と呼ばれる三重県、銚子川。河口まで透き通った水が普通の川では見られない光景や生き物のドラマを見せてくれる。美しき奇跡の清流の謎を探る。
詳細情報
番組内容
三重県南部に「見えないものが見える川」と呼ばれる清流がある。源流から河口まで完璧に透き通る銚子川。その透明な水ゆえに、普通の川では見られない不思議な光景や生き物たちのドラマを見ることができる。淡水と海水がつくる蜃気楼のような境界。絶滅危惧種ニホンウナギの素顔。透明度のカギを握る“地下の川”からは新種の生物も発見された。奇跡の清流、銚子川。本来の自然のままの川とはどんなものか、その姿を明らかにする。
出演者
【語り】吉岡里帆
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 報道特番
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