2018/11/17(土) 19:00〜19:45 地球ドラマチック「ナスカ 地上絵のミステリー」[二][字]
恐らく痛みがあったから左膝をかばい右足ばかり使って歩いていたのね。→
そのせいで右足の関節が
摩耗してしまった。→
この男性は遠いところから
来たのかもしれません。→
背中と脚に痛みを抱えながら
巡礼のために カワチまで歩いてきて→
そのまま そこで亡くなったのでしょう。
巡礼に訪れた人々は 収穫物やささげものを入れた壺を神官に献上し→
壺は後に地中に埋められました。
壺からは 粘土のかけらを糸でつないだ小物も出てきました。
家族の結束を祈り 巡礼の記念に
入れたのかもしれません。
(ミゲル)
カワチで発掘された ひょうたんの中からこんなものが見つかりました。→
野生の綿花で ハチドリの羽根が
ついています。→
今から 2,000年以上も昔の羽根です。→
ひょうたんから綿花を全て取り出すと→
底の方に
こんな小さな物が入っていました。
(オレフィチ)パイプの形をした この道具は
大変珍しいものですね。→
全体に彫り込みの装飾があり
その上から色を付けています。→
描かれているのは
尾の長いハチドリです。→
3羽のハチドリが 花の蜜を吸っている
様子が様式化されて描かれています。→
ハチドリは ナスカの地上絵にも
たくさん描かれています。→
ナスカの神々の一つだからです。
ハチドリやサル 植物などはナスカ時代に見られる典型的な絵柄です。
カワチ神殿は神官や大勢の巡礼者が訪れる
重要な祭祀の中心地でした。
周辺の砂漠に描かれた地上絵は→
礼拝所として利用されていたのかもしれません。
空に語りかけるような巨大な地上絵。
どれだけの人々が携わりどのようにして作られたのでしょうか。
これらの地上絵は
空の上から眺めるためのものであり→
人々が自分の目で見る必要は
ありませんでした。→
神々への儀式であり
ささげものだったからです。→
神とも言うべき
擬人化された神話的存在は→
土器や織物に度々 描かれており
常に空を飛んでいる姿をしています。
ハチドリやサル クモなどの絵を
地上から判別するのは困難です。
重要なのは人間に見せることではなく→
高みの存在に見てもらうことだったんです。
地上に絵を描くために 当時の人々は
ナスカ台地の特徴をうまく利用しました。
ここに地上絵の一部が見えていますが
これらの線は辺りの石を取り除き→
その下の明るい色の砂地を
むき出しにすることで描いたものです。
これほど大きなスケールで
地上絵の輪郭を描いたということは→
当時の人々には数学 とりわけ幾何学的な
技能があったと考えられます。
全体を指揮したのは1人か2人の人物で→
関わった労働者の数は 地上絵の大きさによって異なったでしょう。→
この規模の渦巻き形の地上絵であれば→
作るのは それほど大変ではなかったはずです。→
なぜなら 石は遠くに運ぶのではなく単に
線の脇に移動させるだけでいいからです。
ナスカの人々は地上絵を訪れ
そこで さまざまな儀式を行いました。
これらの土器のかけらは
儀式を行うために→
地上絵を訪れた人たちが
運んできたものです。
水で満たされた土器を割って行う→
「雨乞いの儀式」が行われた可能性があります。
これらの土器が作られた年代を
分析することで→
地上絵が いつごろ使われていたのか
明らかになりました。
多くの象徴的な絵柄のうち
最もよく見られるのはハチドリです。
ハチドリは しばしば花と一緒に描かれ
花の蜜を吸っています。
ハチドリは非常に象徴的な存在です。→
なぜなら この鳥は危険にさらされると心拍数が落ちて仮死状態となり→
その後 再び元の活動に
戻ることができるからです。→
ある意味 ハチドリは
ナスカの人々にとって→
再生のシンボルのような存在と
なったのでしょう。
質の高い土器や
そこに描かれた象徴的な絵柄は→
ナスカの人々の日常生活と
信仰のありようを物語っています。
クモは 豊かさと水に関わる概念と
密接に結びついたシンボルです。
乾燥地帯に住むナスカの人々にとって