2018/11/17(土) 21:00〜21:50 NHKスペシャル 人生100年時代を生きる 第1回「終の住処はどこに」[字]
今 全国にあるんですか?
はい 全国につくられています。
7年前から→
受け皿不足の解消の切り札として
つくられたものなんですね。
これは 国が法改正をして
つくったものなんですけれども→
バリアフリーの賃貸住宅。
そして 在宅の介護と同じように訪問介護。訪ねてきて介護をしてくれる。
更に料金です。
家賃 食費込みで 月に平均14万円ほど。
あっ じゃあ 特養とあまり変わらない…。
そうなんです。
高いところと比べると
比較的リーズナブルだと。
私たちの終の住処である
新たな選択肢 サ高住。
でも 現場は
想定外の事態が起きていました。
福岡市の住宅地。
サ高住の施設長が行方が分からなくなった入居者を捜していました。
その直前 防犯カメラに映っていたのは
100歳の認知症の男性でした。
交通量の多い道端で
動けなくなっていました。
山本さん もう遅いから帰るよ。
ほぼ毎日 1人で外に出てしまい→
4キロ離れた場所で
警察に保護されたこともあります。
山本さんは 3年前から
このサ高住で暮らしています。
月の料金は 食費込みで およそ12万円。
年金でも暮らしていけるため終の住処に決めました。
妻の愛子さんは
11年前に交通事故で亡くなりました。
3人の子どもたちは 既に70歳前後。
介護を頼ることはできません。
山本さんは当初 特別養護老人ホームを
探していましたが→
要介護2だったため 入れませんでした。
介護保険制度では要介護度は5段階に分かれています。
比較的安い特別養護老人ホームは→
原則 要介護3以上の人しか入居できません。
サ高住は 山本さんのような→
要介護度が低い人の受け皿として期待されているのです。
サ高住の法律上の位置づけは 住宅です。
部屋は 全て個室。
管理人にあたる職員がいて
安否確認などの見守りを行ってくれます。
(ノック)
失礼しま~す。
体調は お変わりないですか?
介護保険を使えば 訪問介護のサービスを受けることもできます。
このサ高住を運営する岡山正和さんです。
自宅でも施設でも暮らすことができない高齢者を支えたいと→
サ高住で働くことにしました。
本音としては 僕の気持ちとしては。
ところが…。
[外:E806D1481CFA721DA5F60413531F39BD]
岡山さんが思ってもみなかった事態が
起きています。
認知症を患う要介護2の女性が
幻覚に襲われていました。
部屋に侵入してきた男を
捕まえてほしいと訴えます。
幻覚などで混乱したまま動き回ると
事故につながりかねないため→
昼夜を問わず目が離せません。
國廣さん? 國廣さん。
僕 呼んでるんで ちょっと行きますね。
岡山さんのサ高住では もともと比較的 介護の手間がかからない→
高齢者の入居を想定していました。
ところが 認知症の人が大半を占めるようになり→
大きな負担になっているのです。
ああ!
NHKが 全国のサ高住に行った
アンケート調査でも→
認知症の人の割合は→
55%に上っていることが明らかになりました。
認知症の入居者が多くなったことで
経営も圧迫されています。
サ高住の収入は
入居者から毎月受け取る料金のほかに→
介護報酬があります。
多くのサ高住は訪問介護事業所を併設。
ヘルパーを派遣して
介護報酬も得ています。
介護保険から支払われる この報酬は→
要介護度が高い人ほど増える仕組みです。
岡山さんのサ高住には
認知症でも体の自由がきくために→
要介護度が低い人が数多くいます。
そのため 負担が大きい割に介護報酬が少なくなるのです。
一方 人件費もかさんでいます。
国の基準では職員の数は 少なくとも日中1人。
しかし ここでは
一日に3人置かなければ→
到底 対応しきれないのです。
少しでも人件費を削ろうと→
施設長の岡山さん自ら