2018/11/17(土) 21:00〜21:50 NHKスペシャル 人生100年時代を生きる 第1回「終の住処はどこに」[字]


泊まり勤務もこなしています。
深夜2時過ぎ。
100歳の山本さんがまた外に出ようとしていました。
分かる。

今 分かる?夜中っちゅうことは。
徘徊に加えて 最近は
幻覚の症状も現れるようになっています。
呼ばれたの?
入居者の安全を守るために職員を増やすことはできないか。
(ノック)


お疲れさまです。
岡山さんは
社長と話し合いの場を持ちました。
よろしくお願いします。
ところが…。
赤字経営のため
これ以上 人件費は増やせないといいます。
(ため息)
ため息をつくな ため息を。
ちょっと… ちょっと すいませんね。
最近ね ちょっと…。
う~ん…。
難しいんですよね 多分ね。
このサ高住では 今→
徘徊を繰り返す人に退去をお願いすることも→
検討し始めています。
いかがですか?
いや 今の100歳のおじいちゃん
随分 お元気だと思うけれど→
あの施設では 施設長の岡山さんの方が
私は心配ですね。
ああ 「向き合いたい。 けど…」っていう
言葉ですよね。本当に→
偉い人だなと思うけれど
だけど だって→
1人の親を 私なんかは
きょうだいシフト制にして→
しかも まだ 手伝って下さる人にも
恵まれててやってても結構大変なのに→
徘徊だけじゃなく 苦しくなったり

さっきみたいに幻覚を見たりっていって→
もう 本当に…
(高野)そうですね。
ここからは 東洋大学准教授の
高野龍昭さんにも→
加わって頂きたいと思います。
高野さん 長くケアマネージャーとして活動されていまして→
介護現場の実態を
よくお知りですけれども…。
カリスマケアマネージャーだそうです。
ありがとうございます。
でも そもそも 何で サ高住に
あれだけの認知症の方々が→
大量に住むようになったんでしょうか。
そうですね。
まさに 人生100年時代を迎えて
認知症の高齢者が→
単純に増えてきたということが
一つ あると思うんですね。
少しデータを紹介しますと
このパターンなんですけども→
これ 65歳以上の方の 5歳刻みの→
認知症の発症率を示した→
ある研究データなんです。
ご覧になって分かるとおり例えば 70歳ぐらいの方ですと→
認知症になる方っていうのは5%を切る。
ところが 85歳になりますと→
認知症になってらっしゃる方が
5割を超えている。
2人に1人は認知症って

思えばいいんですか?そうです。
そもそもサ高住は
比較的元気なお年寄りを→
受け入れるということに
なっていたわけですよね。
さっきおっしゃった
介護認定1か2ぐらいの人。
ええ。 これほど認知症の人が
増えてくるというのは→
想定していたんでしょうか。
まあ 先ほど見たような→
認知症の人の増え方とか
それに追いついていない。
だから…
で その頼ったサ高住 入居先が→
岡山さんのような方が
1人で一生懸命頑張ってる。
日中は ヘルパーさんが
いらっしゃるだろうけど→
夜中1人で 寝る時間もないし→
食事に行く時間もないわけですよね。そうですよね。
阿川さんは お母様の介護の実感としては
どうですか? やっぱり こう…。
いや やっぱり…
すごく疑問なんですけれども。
介護の現場にいらっしゃる方ですとか→
それから 認知症のご家族がいらっしゃる方に聞きますと→
どう考えても
介護の手間が相当かかるのに…
…というのは 現場の方々は皆さん