それは、あかん!
◆これだって、
結局ココロちゃんも乗れるわけでしょう?
じゃあ、俺、買ってあげるわ。
全然、大丈夫よ。
◆同じ母子家庭という境遇に、
自分を重ね合わせていた横山君。
全ては
ユイト君を喜ばせたい一心。
そんな男気が詰まった青色の自転


車。
とっても格好いいじゃないですか。◆ありがとうございます。
◆いや、とんでもない!これで俺も頑張れるから。
◆さあ、いよいよ、
おばあちゃんの家にいる
何も知らない
ユイト君に
サプライズです!
◆今、家に着いたから、おろして
あげて。
ユイト君は喜んでくれるのでしょうか?
◆来た来た。
◆ママ、何で?
◆こんにちは。
◆いきなり大人たちに注目されたら
そりゃ、びっくりするよね?
ユイト君、
驚かせてごめんなさい。
◆これ、ちょっと布、とってもらっていい?
せーの。
はい、ユイト君。
どうですか?
◆格好いい…。
◆うれしい?
◆うん。
◆ずっと欲しかった自転車、
本当はめちゃくちゃ喜んでいまし
たよ!
◆乗れるようになりたいやろ、あれ。
◆うん。


◆よっしゃ、頑張ろう!
◆はーい。
◆まずは、補助輪つきの自転車で
感覚をつかむところから始めます。◆補助輪あるやんか、
横の車輪。これが
つかへんのをイメージして乗って
みぃ。
そうそうそう。
なるべく自転車をこいどかないと
傾いてしまうからな。
上手上手。
なれていこう。
そう、そう。
いいぞ、めちゃくちゃうまい。
スピード乗り出したら
そうなるから。
もうこっち、乗ってみますか?ちょっと早いかな。
頑張ろう。
◆この勢いで
コマなしにチャレンジ。
◆一瞬、離すぞ。
ビビったらあかん。
こがな倒れるぞ。大丈夫、大丈夫、俺持ってるから。
全然びびらん。
◆横山君も汗だくになるほど、
体力を使う自転車の練習。
2歳の子を抱えたお母さん1人で支えるのは
大変です。
そして、
ユイト君も

粘り強く頑張っているのですが…。
◆頑張れ、頑張れ…。
◆あ~あ…。
◆どうしてもこけることへの
恐怖心があるみたいです。
◆こいで、こいで。
◆それでも絶対に諦めません。
補助輪を外した小さい自転車なら
きっと乗れるはず。
◆こいでこいで!
はい、ブレーキ。大丈夫か?
◆何度、転んでも
くじけずに練習を続けるユイト君。
小さい子とかが乗ってやったら、
すごいうらやましそうにもしてやったし、買ってあげられへ
んかったから、ずっと。
乗せてあげようと思っても
私1人やったら
支えてあげられへんかったから、今まで。
感動して言葉が出ない。
◆そして、この後…。
◆おっ、すごい!
◆自転車に乗れるようになりたい。
小学1年生の結登(ゆいと)君を
8ppyに!間もなく日が暮れようとする
そのとき…!
◆こいでこいで。
こいでこいで!
こいで、こいで!
よっしゃあ!