2018/11/22(木) 01:50〜02:40 NHKスペシャル キム・ジョンウンの野望 第1集▽暴君か戦略家か 禁断の実像[字][再]


キム・ジョンウン氏の周到さと気の強さ。
しかし スイスの経験が→

後の行動や思想にどのような影響を及ぼしたのか→
ほとんど明らかにならなかった。
この若者が突然トップの座についた経緯は→
北朝鮮の歴史の中でも
異質だった。
社会主義国家でありながら
世襲が正当化され→
キム一族が権力を独占する北朝鮮。
建国の父 キム・イルソン主席は独裁体制を維持するため→
早くから
息子のキム・ジョンイル氏を→
党の要職に就かせた。
そこで 20年にわたり実績を積ませながら→
後継の正当性を人民に喧伝し
周到に世襲を実現した。
その後 15年以上にわたり
独裁を維持した…
核・ミサイル開発など→


軍を主体とする先軍政治を推し進め→
権力基盤を固めた。
しかし 60代で脳卒中に倒れると突然 後継者問題が浮上。
そこで 公の場に登場したのが
三男のキム・ジョンウン氏だった。
実績もなく
幹部たちよりも はるかに若く→
権力継承の時間もない中での世襲。
どうやって 党や軍2,500万人の人民を支配したのか。
キム・ジョンウン氏の6年間を
独自に調べ上げ→
国内統治の謎に迫った
一人の北朝鮮元幹部がいた。
かつて 朝鮮労働党の幹部で→
キム・ジョンウン氏の父キム・ジョンイル総書記と→
直接 面識を持つ
接見者と呼ばれたエリート。
ソン氏は 2000年代に脱北。
その後も 北朝鮮内部の人脈とつながりを持ち→
最新の情報を収集しながら
分析を続けた。
ソン氏は 去年 死去。
生前ソウルで行動を共にした秘書に→
遺品の全てを託していた。
ソン氏が残していた内部情報や分析のメモは→
全部で 2,000点余り。
核・ミサイル開発の現状や→
幹部たちから聞き出す→
党や軍の最新情報など→
北朝鮮の内幕が記されていた。

その多くは 韓国政府に報告され→
対北朝鮮政策における
貴重な情報源とされた。
キム・ジョンウン氏は→
どんな戦略で国内を統治しているのか。
それを読み解く鍵として
ソン氏が まず注目していたのが→
北朝鮮の経済変化だった。
これは 90年代の北朝鮮の映像。
父 キム・ジョンイル氏の時代→
冷戦終結で社会主義国家からの援助が滞り→
経済が破綻。
食糧の配給が止まり盗みや賄賂が横行→
闇市も出現した。
更に 自然災害が追い打ちをかけ→
一説では 200万を超す人々が餓死。
人民の不満が募り体制に揺らぎも生まれた。
しかし
キム・ジョンウン時代に入ると→
経済事情は一変していた。
これは 監視衛星を使ったアメリカの調査。
7年前の2010年→
北朝鮮の市場は200か所余りだったが→
キム・ジョンウン氏の登場後
400か所に倍増。
経済成長率や食糧生産量も
向上していた。
私たちは 今回 経済制裁が
厳しくなる前に撮影された→
北朝鮮内部の映像を入手した。

以前より はるかに情報統制が厳しくなった→
キム・ジョンウン氏の時代。
内部の映像がほとんど流出しなくなった中→
監視の目をかいくぐって
記録されたものだ。
旅行者は行けない→
ピョンヤン周辺の地域で撮影された映像。
そこには
まるで資本主義のような→
競争原理が
導入されている実態があった。
この運転手は 会社や国から
与えられたノルマを達成すれば→
それ以上のもうけは→
自分たちの利益になると語っていた。
市場の様子も記録されていた。
売り場には 赤い上着を着た人々が肩を寄せ合って並んでいる。
キム・ジョンウン氏は
かつて なかった→
新しい言葉「自強力」という