2018/11/22(木) 01:50〜02:40 NHKスペシャル キム・ジョンウンの野望 第1集▽暴君か戦略家か 禁断の実像[字][再]
指示を発し→
豊かさは
与えられるものではなく→
自ら勝ち取るものだと
人民を刺激した。
各地の市場では→
激しい売り込みや値切り交渉が行われていた。
自強力を生かした統治とは
どのようなものなのか。
私たちは キム・ジョンウン時代を
直接知る脱北者を訪ねた。
脱北者の多くは→
韓国政府から提供されるアパートに暮らしている。
北朝鮮から逃れる人の数は
年々減少。
その上
キム・ジョンウン政権発足から→
まだ6年で
その時代を知る脱北者は少ない。
2014年に脱北した この女性は
北朝鮮に家族を残しているため→
身元を特定しない事を条件に
取材に応じた。
漁師だった この女性は→
取った魚を中国の船に積み替える→
いわゆる
瀬取りで生計を立てていた。
子どもの将来を考え
瀬取りの途中で脱北した。
女性の証言から→
キム・ジョンウン氏の経済政策の一端が見えてきた。
経済活動への意欲を
刺激する一方で→
規律化が進み 管理が厳しくなった
という別の脱北者もいた。
独自の方法で 人民の統治を
進めているキム・ジョンウン氏。
私たちは 更に 詳細を探るため
ある分析を試みた。
キム・ジョンウン氏が
登場してから6年。
その間に発せられた演説や談話→
党や軍に対する極秘の指示書など1万4,000点に及ぶ膨大な言葉を→
人工知能を使って読み解いていく。
全ての言葉の使用頻度発言の場所や それに伴う感情→
時代ごとの関心の変化などを分析。
更に 父 キム・ジョンイル総書記の言葉も→
同じ方法で調べ 比較していく。
そこから キム・ジョンウン氏が→
前の時代より
何を重視しているのか→
どの分野に関心を持ち→
どのような感情で実行しているのか 探っていく。
3か月にわたる分析で→
キム・ジョンウン氏が重視する→
10のキーワードが
浮かび上がった。
その一つが
「同盟」という言葉だ。
ここに
どんな意思が隠されているのか。
北朝鮮の研究者や→
心理学の専門家らと共に読み解いていく。
公安調査庁で 30年にわたり
北朝鮮の分析を行ってきた→
坂井 隆氏。
同盟の整備には 全ての人民を何らかの組織に属させ→
目標を与えようとする
ねらいがうかがえる。
青年同盟は 経済発展と人民生活に
重要だと説く演説。
農業勤労者同盟は→
革命基盤に欠かせないとする発言。
更に 同盟に関わる指示では→
「強める」や「ふるい立たせる」など→
相手を鼓舞する言葉が
常に付随する傾向があった。
心理学の専門家で
演説の言葉から→
アメリカ大統領などの深層心理を
読み解いてきた 海野素央氏。
人心を掌握するキム・ジョンウン氏
独特のデータも明らかになった。
発言場所や方法を見ると
父親の時にも増して→
現地視察や
直接指導が多かった。
20年以上にわたり→
北朝鮮分析を行ってきた礒[外:3F642F3778827E651C8B82A4E9F06FD3]敦仁准教授は→
かつてのような
思想による統治よりも→
実利を重んじる特徴が見えると
指摘した。
分析で 新たな発見があった。
自強力というキム・ジョンウン氏独特の言葉が→
核・ミサイル開発を加速させた
2016年から→
使用頻度が急増していたのだ。
元エリート高官だった脱北者のソン氏も→
経済の再生と その担い手の