来てくれて ありがとね。
克己さんの入院のことで
息子たちに怒られちゃってさ。
私
間違ってんのかなって分かんなくなっちゃって。
あぁ
もうやだ…せっかく来てくれたのにねぇ。
(
はなをすする音)
ハァ…
。
(
泣き声)
晶ちゃん…
。
(
泣き声)
ただいま
。
おう
。
晶…
。
ハァ…
痩せたな 別人みたいだ。
親父
。
俺
京谷。
こんなことしてる場合じゃ
ない母さん! 母さん 起きて。
親父
病院に連れて行こう。待って。
こんなとこ置いてたって
仕方ないよ。
待って
千春さんの気持ちは?
「
気持ち」なんて言ってる間に親父が死ぬ。
死ぬのが怖いの?
当たり前だろ。
千春さんだって怖いんだよ
。
もう車
呼ぶから→
父さん
病院に連れて行こう。待ってください…。
母さん
いいよね京谷が来たら決めるって。
親父
行こうか。
やっぱり
やだ!
克己さんは連れて行かせない!
おい~!
加勢します
。
はぁ?
晶ちゃん…。
晶まで
母さんに付き合うことないって。
違う!
私が そうしたいから。何で?
あの
痴話ゲンカは後でやってもらえますか?
母さん
病院嫌いもいいかげんにしろって!
(
千春) そんなんじゃ ない!
どうして
あんたたちはいつも いつも…!
おかあさんのこと
バカだと思ってるでしょ!
(
拓馬) 思ってないよ。思ってるわよ!
「
母さんは 社会に出たことがないから分かんない」とか何とか。
父母会だって
ご近所付き合いだって→
社会なんだからね!
今 そんな話 してないだろ。
1人で根詰めて介護して→
介護してるほうがうつになるなんて話は よくある。
母さん
今 冷静な判断ができてないんだよ。
私は冷静!
冷静なの!どこがだよ!
入院させたって
良くなるわけじゃ ない!
肺炎
起こしちゃったら入院させて→
気管挿管で
人工呼吸器つけても→
これ以上
何もできないんだから!
それは…
そうだけど…。
自宅で看取るって
千春さん→
何年も前から