有価証券報告書の虚偽記載
投資資金の私的流用
そして経費の不正支出です。
このうち逮捕の容疑となったのが
虚偽記載です。逮捕容疑は
平成22年度からの5年間で
役員報酬を
合わせて50億円あまり
少なく記載していたこと。
しかし、ゴーン前会長は
この容疑を否認しています。
そして、投資資金の私的流用。
日産は、60億円を子会社のZi‐A社に
投資名目で出資していました。
しかし実際にはブラジルやレバノンの
住宅の購入費などに
充てていたとされています。
会社の内部調査で
明らかになりました。
最後に、経費の不正支出です。
数千万円の家族旅行の代金など
私的な目的で
会社の資金が支出された疑いも出ています。一方
法人としての日産についても
有価証券報告書の虚偽記載で
捜査の対象となっています。
有馬≫では、なぜ今、日産は
ゴーン前会長の
告発に踏み切ったのか。
そのきっかけとなったのが
ルノーが日産の合併に
踏み切るのではないかという
危機感なんです。
提携する3社の関係。
ご覧いただきましょう。
かつてと違って
今は、販売台数も売上高も
日産がルノーを上回っています。
一方、ルノーのもうけ純利益の半分は
日産の貢献によるものなんですね。
一方、資本関係は逆になっています。
ルノーが日産の株式を
43%持っていて
かつ、議決権も
持っているのに対して
日産のルノーへの出資は15%。
そして、議決権がないんですね。
さらに、日産の取締役
9人のうち日産の出身が3人であるのに対し
ルノーは4人でした。
中西さん、こうやって見ると
日産は
いまや実力としては
ルノーより上なのに
経営のグリップを握られているように見えます。
やっぱり日産側に強い危機感が
あったということなんでしょうか。
取材の中で役員が
合併される危機感があったと
NHKに明言しているんですね。
実際にそうなんでしょうか。
中西≫それはゴーン前会長の
公約でもありましたので。
18年からそれを目指して
準備に入っていたと思います。
いずれにせよ
対等なアライアンスといっても
そこに示されているように
資本の関係は
親子の関係ですから。
こういった合併
あるいは
経営統合に向かうのであれば
日産の立場が弱いんですね。
こういったものは難しいんですが
不平不満は
ふだんからあるものです。
ただこれは、ここ数年間
かなり構造的な不満に
変わってきた。
反発に変わってきたと思います。
そういったところから考えても
ゴーン前会長の行動が
少し変わってきた。
やはり日産の社員からすれば
ゴーン前会長の私利私欲のために
自分たちが踏み台に
されてしまうのではないか。
日産の未来を案じる声が強くなっていたと思います。
特にゴーン前会長が
ルノーのCEOに再任した
今年2月
この危機感はピークになったと
思います。
有馬≫強烈なリーダーシップで知られていたゴーン前会長。
しかし、最近では
求心力を失っていたことも
取材から浮かび上がってきました。
≫深刻な経営危機に陥っていた日産。
平成11年