20億円前後の報酬を
受け取っていましたが
高額な報酬への批判を
恐れたのではないかとみられます。
そして、役員の報酬は
ゴーン前会長に事実上決定する
権限があり
日産のガバナンスの問題も
指摘されています。
有馬≫経営体制の問題
ということですね。
真山さん、日産は
なぜチェックできなかったのか。
不正を長らく見過ごしていたのか
という点ですが。
真山≫ガバナンスの問題
というのは日産に
かわいそうかなと思います。
ゴーンは特別な立場で
それは経営難のとき日産に
やってきて改革をしようと。
ある意味GHQの総司令官という
立場だった。
だから、ある程度はしょうがない。
その保障も当たり前であろうと。
それがだんだん再生から成長へと
移ってきたんですね。
そうすると司令官がいらなくなる。
ここが辞めるタイミングだったんですが
そこで辞めずに、さらに
続けてしまったことによって
さすがに
安定した企業で
それはだめでしょうということを
いうタイミングを逸してしまった。
日産側も。
ほか全員が方針、体制が
だめだったというのではないので
タイミングだと思います。
有馬≫世界第2位となるまで
成長したアライアンスが
このゴーン前会長の逮捕で
どう変わっていくんでしょうか。
懸念しているのが
ルノーの筆頭株主の
フランス政府なんです。
外国メディアでは
ゴーン前会長を通じて
合併など、経営への関与を強めたい意向があったと
伝えられてきました。
現地では波紋が広がっています。
≫日本とフランスが
外交関係を樹立して
160年の節目を祝った今年。
ゴーン前会長の逮捕に
フランスでも激震が走りました。
逮捕の翌日、パリではマクロン大統領が
ルノーの今後について
コメントを発表しました。
≫フランス政府の強い危機感は
どこからくるのか。
創業120年を迎えたルノー。
フランスを代表する国有企業として
多くの大衆車を生産してきました。
1990年代に民営化されたあとも
フランス政府が筆頭株主という
独特の経営スタイルが続いています。
今も国内を中心に
18万人の雇用を生み出し
国の経済を支えています。
フランス議会上院の経済委員会で
副委員長を務めてきた
マルシャル・ブルカン議員です。
≫今、そのルノーにとって
日産は欠かせない存在となっています。
ルノーの生産拠点は
ヨーロッパ中心であるのに対して
日産は、北米やアジアにも展開。
開発や調達を補い合うことで両社は利益を上げてきました。
その要になってきたのが
ゴーン前会長だったのです。
株主に助言を行っている
コンサルティング会社の
ロイック・ドゥサン氏です。
≫一方、ゴーン前会長には批判も。
株主総会では高すぎる報酬が
毎年のように問題になっていたのです。
≫それでもフランス政府は
報酬の3割をカットすることを条件に
ゴーン前会長がルノーのトップに
とどまることを容認。
日産に対する影響力を
期待してのことでした。
≫逮捕の11日前。
ゴーン前会長がフランス政府の期待に応えた
出来事がありました。
フランス北部モブージュにあるルノーの工場です。
2200人が働き
50年にわたって小型バンなどを生産してきました。
高い失業率に悩む