2018/11/25(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「ゴーン・ショック 逮捕の舞台裏で何が」[字]


その最高執行責任者に
ゴーン前会長は就任しました。
主力工場の閉鎖や2万人を超える人員削減など
徹底した合理化を進めました。
≫就任から僅か4年。
1兆3000億円に上っていた
負債をゼロとし
業績のV字回復を果たしました。

ルノーの経営トップも兼任しカリスマ経営者として
世界に
知られるようになったのです。
≫しかし、そのカリスマ性に
かげりが出ていたことが
今回の取材から分かってきました。
≫転機とみられているのは
就任13年目に発表された
中期経営計画です。
それまで、掲げた経営目標を
達成してきたゴーン前会長。
世界シェアの8%を握るという


大胆な目標を掲げ
達成できない場合は自身の退任も
辞さないと語っていました。
しかし、販売は伸び悩み
目標達成は困難に。
志賀俊之最高執行責任者が退任。
ゴーン前会長は社長のポストにとどまりました。
このころから、ゴーン前会長の
強引な経営手法に対する
不満が高まってきたといいます。
≫ゴーン前会長の経営に対する関与が
少なくなっていたという
指摘もあります。
自動車業界は現在
電気自動車や自動運転など
100年に一度の
大変革期を迎えています。
迅速な判断が求められる中
ゴーン前会長は
1か月に2~3日しか
出社しなくなっていたといいます。
≫高まる不信感に
拍車をかけたのが
業績のよしあしにかかわらず
毎年支払われる
多額の役員報酬でした。
≫今回、ゴーン前会長は
生まれ育ったブラジルなど
世界各地で、高級マンションを
会社に提供させていたことが

明らかになりました。
リゾートビーチが見渡せる部屋は
広さ500平方メートルで
価格は推定4億円。
法令順守の徹底を求められてきた社員たちの間には
怒りが広がっています。
≫権力を振るってきたその先に何を見ていたのか。
2年前の
リオデジャネイロオリンピックで
会社をとおして
4500台の車を提供。
地元のサンバチームにも
多額の資金を援助していました。
ブラジルでは、大統領を
目指しているのではないかという
憶測も出ていたといいます。
有馬≫ブラジルでは政界進出もうわさされていた
ということですけど
中西さん、ゴーン前会長は
なぜ変わって
しまったんでしょうか。
中西≫長く経営のトップに
いましたので
2010年から
14年ごろにかけては
ゴーン元会長は次のステップに
移るんじゃないかという見方でした。
有馬≫ほかの企業に出るとか。
中西≫そうですね。
例えばITの大きな企業とか

ブラジルの大統領のような
政治の舞台。
ただ、これは実現しなかった。
その中で彼の権力の構図は守って
ルノー・日産のアライアンスが
世界最大の自動車メーカー。
そのトップに君臨する。
そのところに
目標が移ってきたと感じました。
有馬≫次のステップに移る
タイミングを
逸してしまったと。
中西≫それが結果として長く経営にいすぎて
不正の恩主を生んだ
原因とも考えられます。
有馬≫なぜ不正なのか。
田中≫特捜部は日本の役員報酬の
開示のルールが変わったことが
背景にあるとみています。
それまで、ゴーン前会長は