2018/11/26(月) 22:25〜23:10 プロフェッショナル 仕事の流儀「人工ボディ技師・福島有佳子」[解][字]
アッハハ ちょっと待って…はい ストップ!
3年が過ぎた頃だった。
福島さんのもとに感謝の言葉が届くようになった。
それ以来 福島さんは
「全身どこでも作ります」と→
どんな注文にも応え続けた。
そして 28歳の時に国内大手の義肢装具会社に迎えられ→
現在の工房を立ち上げた。
それから 19年。
一つの思いを胸に ひた走ってきた。
(掛け声)
♪♪~(囃子)
7月下旬。 難しい相談が持ち込まれた。
この日 訪れた窪田さん。
生まれつき 左足に障害があり甲から先がない。
実は窪田さん 今年の3月に
15年ぶりに来店。
破損した足を
作り替えていた。
それにもかかわらず この夏→
もう一つ新しい足を作ってほしいという。
(福島)まず えっと ちょっと…
ヒールのあるサンダルで街に出たいという依頼だった。
だが 窪田さんにとって
サンダルで歩くことは 簡単ではない。
窪田さんは歩く時
かかとで体重を支えている。
しかし ヒールのサンダルは
重心が前にかかる。
更に サンダルは
足を固定する部分が少ない。
足にかかる体重を全て
人工ボディで支えなければならない。
今 使っている足では
強度も安定性も足りなかった。
素材や形状を 一から見直し
全く新しい足を作ることになった。
今回の仕事は
26年のキャリアを持つ福島にとっても→
初めての挑戦だった。
まず 人工ボディに使用するシリコン素材のテストから始めた。
体重を支える強度があり→
なおかつ 肌に優しい伸縮性のある素材を探す。
こうして 1週間かけて
テストを繰り返した福島。
ようやく
最適と思われる素材にたどりついた。
そして 造形にも修正を加える。
足裏に5ミリほど厚みをつけつま先が反るように改良を加えた。
ヒールを履いた時に→
つま先で しっかりと地面をとらえられるようにする。
1週間後 仮の足が出来上がった。
おはようございます。
窪田さんに 出来たばかりの
仮の足を試してもらう。
そう さすが早い。
福島は 今から この仮の足をつけて→
サンダルを買ってきてほしいと言った。
それから最終的な調整をしようという。
こういうとことか
こういうのにしないと→
やっぱり その…
(福島)うん。
福島は 自分が履きたいものを
買ってくればいいと 背中を押した。
夏場は サンダルコーナーを避けてきた
という窪田さん。
でも 今日は違う。
福島の助言どおり→
足の甲がホールドされている
サンダルを履いてみる。
ヒールも高くなく 歩きやすい。
次に 店員から勧められたサンダルを履いてみる。
ヒールが5センチと 高い。
更に 足の甲がホールドされていないため安定感がない。
迷うこと 1時間。
(福島)私もドキドキやな。
いいですか? 上でも。
(福島)はい 全然大丈夫です。
窪田さんが選んだのは
あのサンダルだった。
あっ ぽい!
すぐに チェックする。
シリコン製のゴムで隙間を埋めながら→
どれくらいの調整が必要かを見極める。
課題は 足を安定させるために
甲の高さを出すこと。
だが 単純に
肉を厚くすればいいというわけではない。
全体に厚みを持たせながら しかも
いかに美しい足に仕上げるか。
なかなか うまくいかない。
足の甲を少しずつ削る。
その削った分を足裏につけ 厚みを出す。
何度も 何度も 繰り返す。
依頼を受けて ひとつき半。
(福島)いけた いけた。
ついに 出来上がった。
早速 窪田さんに合わせてもらう。
室内での歩行は 問題ない。