2018/11/29(木) 01:00〜01:50 NHKスペシャル「ゴーン・ショック 逮捕の舞台裏で何が」[字][再]
不正が行われているのではないか。
海外などでの調査が進むにつれ→
数々の不正の実態が分かってきました。
レバノンやブラジルの住宅を
購入するため→
Zi-A社を通じて20億円余りが→
支出されていました。
ヨットクラブの費用や→
家族旅行の代金まで→
会社側に負担させていました。
それとは別に株価に連動した報酬を受け取る権利→
40億円分を
公表していませんでした。
不正を突き止めた時の衝撃を
関係者は こう証言しています。
調査を進めていたメンバーは→
取締役会で不正の責任を問うことも検討しました。
しかし
社内の主要なポジションを→
ゴーン前会長に
押さえられていたため→
取締役会での不正の追及は
難しいと判断。
刑事責任を問うしかないと
決断しました。
そこで 目をつけたのが→
近く日本で導入されることになっていた→
司法取引でした。
ゴーン前会長の不正に関与した人物でも→
捜査に協力すれば→
起訴が見送られる可能性があります。
メンバーは
実行役の1人と見られる→
外国人の執行役員X氏に
注目していました。
不正への関与に
戸惑いを感じていることを→
把握していたのです。
そこで X氏に司法取引の存在を説明して説得することにしました。
X氏は 説得を受け入れ→
司法取引に協力することを決めました。
ゴーン前会長の
不正を追及する動きと→
時を同じくして 日産内部では
ある危機感が強まっていました。
極秘の調査が始まっていた
そのころ。
日産社内を揺るがす
大きな出来事がありました。
2月 ルノーのCEOに
再任されることが決まった→
ゴーン前会長は
ある声明を出しました。
海外では ルノーが日産と
合併の協議をしていると→
報じられました。
ルノーの筆頭株主であるフランス政府は→
これまで 日産との関係を
強化するよう ゴーン前会長に→
再三求めてきました。
これに対して ゴーン前会長は日産の独立性を担保すると→
繰り返し主張していました。
しかし 日産の社員たちにはゴーン前会長が 再任を機に→
態度を一変させ
フランス政府の要請を→
受け入れたのではないかと
映っていました。
ルノーの支配が
強まるのではないか。
更に翌月
追い打ちをかけるように→
ゴーン氏は ルノーと日産の→
それぞれの研究開発部門を統合すると発表。
車の開発まで
ルノーの主導になれば→
日産の核心部分を失いかねないと
社員は不安を募らせました。
当時の日産内部の空気について
現役の社員が→
初めて
インタビューに応じました。
かつては ルノーの出資を受けて
深刻な経営危機を脱した日産。
業績が回復した今→
売上高や販売台数などは→
日産が ルノーを
大きく上回っています。
組織の危機を
感じる人たちにとっても→
ゴーン前会長の不正を追及し
解任することは→
好都合だったのではないか。
長年 ゴーン前会長の取材を続けてきた井上久男さんは→
こう読み解きます。
不正をつかんだ日産側が東京地検特捜部と接触。
これまでに把握した不正の証拠を
提出すると伝えました。
その中には 実行役のX氏らが
ゴーン前会長から指示を受けた→
極秘のメールも含まれていました。