2018/12/01(土) 19:00〜19:45 地球ドラマチック「よみがえるアイスマン〜科学とアートが明かす謎〜」[二][字]


生活圏を広げ→
次第に狩猟採集民を
押しのけていったという事実です。
では
エッツィとDNAパターンが似た人々は→
現代では
どこに住んでいるのでしょうか。
エッツィの遺伝情報を
現代のヨーロッパ各地で入手した→
サンプルと比較する事で


答えが出るはずです。
(ブスタマンテ)研究の結果は
実に思いがけないものでした。→
私たちは当初 エッツィに近いのは→
イタリアの人ではないかと思っていました。
しかし

イタリアではありませんでした。→
では オーストリア?
いいえ これも違いました。→
東ヨーロッパ? 違う。
北アフリカ? これも違う。
では 一体 どこの人なのか。
ようやく判明しました。→
彼に最も近い人々は 地中海の→
サルデーニャ島にいたんです。
驚きました。
これはエッツィがサルデーニャの人だった事を→
意味するわけではありません。
5,300年前 ヨーロッパの大半の人々は→
初期の
農耕民移住者から受け継いだ→
類似のDNAパターンを持っていました。
それ以降 ヨーロッパには次々と移住者が押し寄せ→
DNAの新たなパターンが加わり
混ざり合いました。
しかし サルデーニャ島は例外でした。
大陸から離れたサルデーニャ島には→
新しい移住者が
あまり やってこなかったため→
初期に移住した

農耕民のDNAパターンが→
比較的
純粋な形で保たれたのです。
これが理由で
今のサルデーニャの人々が→
遺伝的に
エッツィに近いのだと考えられます。
スターブのアトリエでは
5か月に及ぶ作業の末→
アイスマンのエッツィのレプリカが
ほぼ出来上がりました。
これを
本物だと思ってもらえたら→
私の仕事は完成です。
あとは見た人がどう判断するかです。
作業終了を前に
ある人物がアトリエを訪れました。
ミイラ・アイスマン研究所の所長
アルベルト・ツィンクです。
実物のエッツィを よく知る人物が
仕上がりをチェックしに来たのです。
私が期待するのは 彼が一瞬→
本物のエッツィじゃないかと錯覚する事です。
ひと言で言えば見事です。
実によくできていて感動しました。
本当に驚きです。
良かった。すばらしい。
♪♪~
(ツィンク)このレプリカがあれば研究者たちは→
もっと

さまざまな調査ができます。→
詳細なデータも増え 私たちの研究は
更に前進するでしょう。
アルベルト・ツィンクのお墨付きを得て→
レプリカを世界に公開する時がやってきました。
スターブは
エッツィのレプリカを展示するために→
ニューヨーク州の
コールド・スプリング・ハーバー研究所に→
エッツィを運んできました。
世界有数の遺伝子学研究機関です。
緊張しています。
長い道のりでした。
膨大な仕事が
ようやく実を結びます。
DNAの二重らせんの発見者の一人
ジェームズ・ワトソンが→
レプリカを見に訪れました。
よくできていますね。実物から5,000年前の→
DNAを入手したと聞き
胸が躍りました。
エッツィは5,000年後の人々が→
自分の生き方や死に方について→
大きな関心を抱くようになるとは
想像もしなかった事でしょう。
見学に来た生徒の中には→
彼の事を何年も勉強している子供たちもいます。
DNAが過去を知る手助けになった
すばらしい例です。
世界一すてきな死者ですね。