2018/12/05(水) 18:15〜19:00 キャスト[字]障害ある息子を残して死ねない“老障介護”の現状…▽アフリカ現代アート


大変なのは、夜です。
智泰さんは、車に乗るのが大好き

です。
毎晩4時間、夫婦交代で、ドライブ
に出かけています。
夜は、近所に迷惑をかけたくない
という気持ちと、
ドライブが好きな息子の思いに応
えたいという気持ちがあります。
車の揺れや、音楽など、
智泰さんは、さまざまな「刺激」で、
楽しみを得ているといいます。
しかし、歯止めがききません。
帰りは、深夜になることも。
それでも、なかなか眠れません。
泰代さんは、とても息子を愛して
います。
しかし、この暮らしは、
もう限界だと感じていました。
「おはようございます」


「昨日は、ドライブ中に寝ちゃったんですけど」
智泰さんは、平日は、
障害者の『作業所』に通っています。
作業所でも、智泰さんには、
マンツーマンの介助が必要です。
この日は、ゼリーにラベルを貼る
作業。
智泰さんは、容器を渡す担当です。
お昼になっても、智泰さんのあくびが止まりません。
夜のドライブで、からだのリズム
が、
崩れてしまっていました。
10月半ば。
智泰さんは、障害を専門とする病
院に、入院することになりました。
「智泰くん、これ、診察、いい?
もしもしできるかな?」
「大丈夫やな」
1ヵ月間、家族から切り離し、
「習慣をリセットする」という治
療にのぞみます。
長い長い廊下の先が、入院病棟。
家族の立ち入りはここまでです。
入院することはできるのでしょう
か。
重い知的障害のある、和田智泰さ
ん。
この日、入院することになりまし
た。
1ヵ月もの間、息子を手放すのは、

初めてです。
病棟へ。
静かに歩き出しました。
息子への思いと、悲鳴をあげてい
る身体。
複雑な感情がこみ上げます。
泰代さんだけではありません。
障害のある子どもを支える家族は、
「ある不安」を抱えています。
実は、障害のある人が暮らすため
の施設が足りません。
特に、滋賀県では、施設が足りず、
北海道や九州など、県外で入所した人が、
146人にのぼります。
家族が支え切れなくなったとき、
子どもを託せる施設が、もっとも
っと欲しい。
みな、同じ願いです。
息子の入院から1ヵ月。
病院での様子について、説明を受
けました。
智泰さんは、病院では、夜8時に
寝て、
規則正しく過ごしていたといいま
す。
ドライブが好きで、宵っ張りの息
子と
どう折り合いをつけて、暮らして
いくのか。
難題が突きつけられました。

退院から3日後の夜、和田さんのお宅を訪ねました。
家では、目一杯、両親に甘えてし
まいます。
ドライブには行かない、そう諭し
ながら、
夫婦で寄り添い続けています。
本人にとっても家族にとっても重い障害。
この現実をもっと知ってほしいと、
和田さんは思っています。
島田さん、
息子さんのことを
本当に心から愛している
愛しているんだけれども、どう支えていいのか、
そして不安もあると。
親の立場からすると、
この子は
この後どうするんだろう。
将来を考えたときの気持ち的なつ
らさというところもあるので、
なかなかご家族だけで完結させて、