2018/12/06(木) 01:00〜01:50 NHKスペシャル「知床 シャチ 謎の大集団を追え」[字][再]

豊じょうの海に集う生き物たち。
高精細のカメラで その姿を捉えました。
南半球から渡ってくる数万羽のミズナギドリ。
あっ 水煙が立ち上りました。
次々に現れる巨体。
まさに 野生の楽園です。
そして…。
現れたのは 海の王者 シャチ。
この海の生態系の頂点に立つ哺乳類ですが…。
実は 野生での生態は
ほとんど分かっていないんです。
今回 私たちは→
世界でも極めて貴重な映像を撮影しました。
めっちゃいる! めっちゃいる!
突然 数十頭もの大集団で現れたシャチ。
しかも 謎の行動を
とり始めたのです。
号令をかけたかのように
一直線に並んだかと思えば…。
その並びを変え始めました。
一体 何をしているんでしょうか?
私たちは 研究者と共に
その謎を追うことにしました。
最新の機材を駆使して 徹底調査。
2年にわたる取材で見えてきたのは→
シャチの高度な知能と知られざる生態。
そして 強い絆で結ばれた→
シャチの家族の姿。
知床の海に現れる シャチ 謎の大集団。
その神秘に迫ります。


冬 流氷に埋め尽くされる知床 羅臼の海。
この流氷が解ける春から夏までの間→
あの生き物が やって来ます。
♪♪~
体長は 最大で10m。
体重は 10トンにもなります。
寿命は長いもので80年ともいわれていますが→
その生態は 謎に包まれています。
あっ 顔を出しました!
この行動 水上に目を出して→
周りを観察しているのではないかと考えられています。
♪♪~
巨大な体が宙を舞いました。
力を見せつけるような大ジャンプです。
水族館などでも人気のシャチですが→
どこから やって来るのか
何を食べているのか。
野生の生態は 全くといっていいほど
分かっていないんです。
去年 春
私たちは 全国の研究者と共に→
シャチの生態を
詳しく調べることにしました。
知床に集まったのは シャチに魅せられた
エキスパートたちです。
さあ 調査が始まりました。
シャチを見つけると一斉に写真を撮り始めました。
知床に何頭のシャチがいるのか
まずは正確な記録をとっていきます。
個体を見分けるポイントは→


海面から高く突き出た背びれと背中の白い模様。
2mにもなる大きな背びれがオス。
小さなものがメスです。
背中の模様も 1頭ずつ
異なる特徴があるんです。
あれ~? あのシャチ
背びれが根元から曲がっていますね。
根元さ~ん!
研究者たちは「根元さん」と名付けました。
根元さんは 10頭ほどのグループで
行動していました。
家族と見られます。
来た来た 来た来た 来た!
あ~ これこれこれ!
家族の中に 口元に膨らみがある若いオスがいました。
「イボちゃん」と呼ぶことにしました。
イボちゃんは 好奇心が旺盛。
何度も海面から顔を出しては
こちらを のぞいてきます。
おや?
小さいシャチも います。
子どものようです。
カメラに向かって…→
泡を吹きかけてきました。
いたずらでしょうか?
♪♪~
子どもが大人のシャチの下に潜り込みました。
水中をのぞくと…→
しきりに おなかをつついています。
母乳をせがんでいるようです。

親子だったんです。
子どもは お母さんにべったり。
私たちと同じなんですね。
(鳴き声)
(鳴き声)
知床のシャチを記録し始めて
2か月。
私たちは 世界でも
ほとんど撮影されたことのない→
驚きの光景を捉えました。