2018/12/08(土) 19:00〜19:45 地球ドラマチック「太陽と人類 すべては太陽から始まった」[二][字]


隕石の衝突が減り地球に生物が栄えるための条件が→
徐々に整っていきました。

(ウォード)まぶしいね。
微生物学者の デヴィッド・ウォードは→
35億年以上前の地球に存在した初期の生命体を研究しています。
(ウォード)生命は 「液体の水」と
生存に必要な成分があれば→
地球上の どこにでも
出現することができます。
生存に必要な成分とは
活動のエネルギー源と→
細胞のもとを作るための栄養素です。
生命の進化に 太陽は決定的な役割を果たしました。
光合成ができる
ある種のバクテリアが出現したのです。
およそ25億年前に登場した
「シアノバクテリア」は→
水を利用した光合成によって
酸素を放出しました。
それは 地球を一変させる


革命的な現象でした。
シアノバクテリアの増殖によって→
大気中の酸素が増えていきました。
(ウォード)大気中の酸素濃度が
上昇し始めました。
それは 好気性生物が進化できる
新たな環境ができたことを意味します。
生命の進化は 水の中から始まりました。
(ウォード)植物の祖先はシアノバクテリアと共生することで→
光合成の能力を獲得しました。
やがて 植物の祖先から 藻類が誕生し→
さらに多くの細胞と組織構造を持つ
複雑な植物へと進化していきました。
♪♪~
しかし 大気が酸素化されても→
陸上には まだ生物は現れませんでした。
降り注ぐ強い紫外線が生物の細胞の成長を妨げていたからです。
そのような太陽による弊害を
取り払ったのも また太陽でした。
高度およそ1万メートルの成層圏。
ここでは 酸素分子を破壊する紫外線のエネルギーは弱まります。
破壊されずに残った酸素分子に
単独の酸素原子が くっつき→
酸素原子3つの新たな分子
「オゾン」が誕生しました。
やがて オゾンは地球を取り囲み
厚みを増して層となります。
このオゾン層は
地球上の生物を紫外線から守る→
盾となっているのです。

(ウォード)オゾン層が形成されたことで→
地球の地表は
強い紫外線に さらされなくなりました。
その結果 生物は
水の中の環境から 陸上の環境へと→
進出しやすくなりました。
およそ4億年前→
コケやシダなどの植物が
地上に広がりました。
それらは 最初の陸生動物である→
サソリやダニ クモなどの生息地となりました。
やがて は虫類が登場し 恐竜が現れ→
そして ついに 2億年余り前に最初の哺乳類が登場します。
では 人類の誕生と進化の過程で→
太陽は どのような影響を及ぼしたのでしょうか。
今から およそ200万年前。
人類の祖先はアフリカの森林を飛び出し→
新天地を求めて 太陽の下に出ました。
それは 人類が進化する上で非常に重要なステップでした。
人類学者の アラン・フロマンは→
人類の進化について研究しています。
♪♪~
(フロマン)私たち人類の祖先は→
チンパンジーのように毛むくじゃらで
木登りをする霊長類です。
人類は どこかの段階で森林を離れ→
草原で暮らし始めたのです。
森林から草原に出ていくことは
人類にとって大きな一歩でした。
(フロマン)これは 初期の人類の骨で

ケニアで発見されました。
「トゥルカナ・ボーイ」と呼ばれる
若者の骨格標本です。
200万年近く前のものです。
頭蓋骨には まだ少し原始的な特徴が残りますが→
体は スラリとしていて現代的です。→
二足歩行をし走ることもできたでしょう。→
この初期の人類こそ 約180万年前に
アフリカを飛び出し ヨーロッパ南部や→
遠くは インドネシアでも
発見されることになる→
「ホモ・エレクトス」です。
フロマンは 初期の人類の特徴の多くは→
アフリカを移動する際に
形成されたと考えています。
森林から草原に出ることにより→
人類の体は 太陽の熱に耐えられるよう→
進化せねばなりませんでした。
太陽は 人類の体の構造に直接的な影響を与えたのです。
(フロマン)サバンナの太陽の熱や