2018/12/08(土) 19:00〜19:45 地球ドラマチック「太陽と人類 すべては太陽から始まった」[二][字]
暑さに適応するため→
体毛が無くなりました。→
たとえ 外の気温が45度でも→
私たちは 体温を
常に 37度に保つ必要があります。→
そこで 人類は 「蒸発散」という
システムを発達させました。→
汗をかき 蒸発させることで
熱を放出して体を冷やし→
体温を調節する仕組みです。
太陽の影響を受けた人類の身体的変化の1つが→
皮膚の色です。
(フロマン)森林から サバンナに出て体毛を失った時から→
人類は 強烈な日ざしに
さらされるようになりました。
そこで 太陽光線から身を守るために
「メラニン」という色素が発達しました。
メラニンは 皮膚の色を
濃くする働きがあります。→
ですから アフリカから
世界に広がっていった 私たちの祖先は→
最初は 浅黒い肌をしていたと
考えられます。
その後 皮膚の色は
適応すべき気候によって→
多様化しました。
日射量の多い地域では 皮膚は浅黒く→
少ない地域では 薄い色に。
なぜ そのような変化が起きたのでしょうか?
(フロマン)皮膚の色の違いには
紫外線が人体に及ぼす→
別の生理学的メカニズムも
関係しています。
紫外線には 体内に ビタミンDを
生成するという役割もあります。→
ビタミンDには カルシウムの吸収を助け
骨を強くする働きがあります。→
カルシウムは 不足してしまうと
深刻な病気を招きます。
さらに ビタミンDは→
免疫システムの強化にも一役買っているので→
これが不足すると 感染症やガンに
なりやすくなるとも言われています。
(フロマン)日照時間の少ない寒冷な地域では
ビタミンDは不足しがちになるため→
ビタミンDの生成を妨げる
メラニン色素は少なくなります。
そのため 北方の人たちの肌の色は
南の人たちよりも明るいのです。→
顔にも違いがあります。→
暑い地域の人々は 概して鼻が大きいという特徴があります。→
それは 暖かい空気を吸い込み
すぐに肺へ送ることができるからです。
しかし 寒い気候では
吸い込む空気を まず鼻腔で温め→
湿り気を与えなければなりません。
そうでないと 気管支炎のような→
呼吸器の疾患を起こすおそれがあります。
子どもの場合は 致命的となります。
太陽の熱から頭部を守るために
髪の毛も変化しました。
(フロマン)日ざしが強烈なアフリカでは
人々は縮れた髪をしています。
一方 その他の地域に
移り住んだ人々の髪の毛は→
徐々に縮れた毛の特徴を失って→
もともとの直毛へと戻っていったのです。→
人類の進化において
脳は最も重要な器官の1つですが→
脳は過熱状態に弱いのです。
暑い地域の人々にとっては 死活問題です。
縮れた毛で頭部を覆うことは
外部の熱を遮断し→
脳を より快適な状態にするのに
役立ちました。
太陽は 地球を形づくりました。
また その光と熱で人類をも形づくったのです。
地球の気候は 太陽との 絶妙な
バランスによって 成り立っていますが→
太陽から受けるエネルギーの量が
変化する度に→
さまざまな気候変動が起きてきました。
規則正しく地球を襲う氷河期のサイクルも その1つです。
(マッソン デルモト)100万年以上前の地球は→
およそ4万年ごとに氷河期に見舞われていました。
100万年前からは さらに厳しく
長期的な氷河期が襲うようになり→
それは 平均して 10万年も続きました。
直近の氷河期は2万1,000年前にピークを迎え→
人類の移動と拡散を促しました。
そのころ 海面は 今より120メートルも低い場所がありました。
水が 巨大な氷河となって蓄えられ→
ヨーロッパや北アメリカを覆ったからです。→
インドネシアやオーストラリアへは
歩いて行くことができ→
ベーリング海峡も
徒歩で渡ることができました。
(マッソン デルモト)人類は
ユーラシア大陸の各地に広がり→
ベーリング海峡経由で