◆確かに。
お父さん、何者なんですか？
◆昔は車屋。
◆車屋さんをやってて？
◆今は、引退みたいな。
◆車でもうかったんですか？

◆バブルやからね、めちゃくちゃもうかったね。
◆ええときで、どれぐらい？
◆年間３億。
◆うわ～！すごい！
きっかけは何やったんですか、一番最初のきっかけは。
◆一番最初？
◆こういうのをやっていこうと思ったきっかけ。
◆うちのね、嫁さんの誕生日に、
自画像を想像で描いてあげたんですよ。
そこからなんですよ。
その絵がね、
めちゃくちゃ言われてね。
◆うわあ～、なるほど！
◆形よりも本質やと思った。
◆それはね、若いときだけです。奥さんからしたら、
世の中で一番要らんもんちゃいま
す？
旦那の描いた自画像…。
◆ここからまたね、
１００円ショップのでいろいろ描
いたのよ。
ここの友達の店に置きました。
１人、
私、欲しいわ、これって言われて。


いろんなやつを。持っていくねん。
うちも欲しい、うちも欲しいって、
いっぱいありますよ。◆ご主人、どうですか、
この絵を置いてから
何か変わりました？◆元気になって、ワイワイやって
るんで、お客さんもやっぱり来る
ようになっていると思いますね、
やっぱり。
そやから、
たこ焼き屋をやめてもええかなと
思ってたときやったんで、
もらったんが。
やめんと、
こういう感じに続けていけるよう
になってますからね。
◆すごいな。
今では、
たこ焼きの化身みたいになってま
すもんね。
◆奥さんに絵を酷評されたのが
悔しくて描き出した絵が
幸運の絵として喜ばれているそう
です。
井上さんは
利益ばかりを求めてきた
日常からは感じられなかった、
人のために尽くす喜びを
味わったそうです。
◆引退してから、こうやってね、
第二の人生、いろんな店行っては、

こういう自分の作品を飾ってもうたら
うれしいんちゃいますの？
◆そうやね。
◆目標はあるんですか。
人生の目標は。
◆過去にしたら、自分で悪いこと
も、ええことも、いろんなことを
やってきた。
過去はもう忘れて、
それは思い出のストックに入れて、
今は人を喜ばせるのが
僕の目標です。
◆すばらしいですやんか。
何かすてきな大人に
お会いさせていただけたような気がします。
どうぞ、ほな、これ、置いていき
ますんで、
「となりの人間国宝さん」に認定
しときますので。
◆ありがとうございます！
◆「ただ人に喜んでもらいたい」。
その一心で作品を作り続ける
豊中のカリスマ画伯。
井上さんが描く絵には、
みんなを元気にさせる不思議な力が
込められているのです。
◆大体どれぐらいかかるんですか、あの絵で。
◆これで１０分ぐらいちゃいます
か？
◆１０分で描けるんですか。

簡単な絵！
◆タイトル、わかる？
タイトル、考えて。
◆ええ…故郷。
◆近いなあ。
言っていいですかね。
答えを。
喜怒哀楽。
◆全然惜しくないですやん！
◆超～格好いい！