2018/12/15(土) 16:15〜17:05 NHKスペシャル選「沢木耕太郎 アマゾン思索紀行〜隔絶された人々 イゾラド〜」[字]


左足が細く 不自由だった。
一方 「アウレ」の方は
神経質なところがあった。
二人は 兄弟なのか

友人なのか→
はっきりしたことは
分からなかった。
ただ 固い絆で結ばれ→
互いに助け合って 生きてきた事は確かなようだった。
出現から 3か月が たった頃→


二人が 開拓者の家から食べ物や斧を盗む事件が起きた。
開拓者たちは怒り 二人を
森ごと 焼き殺そうとした。
フナイは 安全のために
二人を 森から連れ出し→
施設で保護することにした。
裸の二人には服とサンダルが与えられ→
2メートル四方の部屋が
あてがわれた。
翌日
食事を与えようとしたところ→
突然 二人は 部屋を飛び出した。
そして テーブルの下に隠れひざを抱えて 震えた。
ある日 二人を 森から運んだ車が
施設に入ってきた。
偶然 そこに居合わせた
フナイの職員は→
二人が 突然とった行動に
驚かされた。
その後 施設からの脱走を
繰り返した二人は→
先住民の部族が住む 保護区に
連れていかれることに なった。
最初は パラカナン族の所だった。
しかし 二人は→
その集落を見ると ひどく おびえ
車から降りようと しなかった。
アスリニ族の集落では 多少
落ち着いた生活が できたが→
長くは続かなかった。 アウレが

栗の実を盗もうとした男に→
斧で斬りつけ
殺してしまうことに なったのだ。
先住民の集落で
暮らさせようという試みは→
すべて 失敗に終わった。
しだいに 二人に関心を抱く者はいなくなり→
フナイに おいてさえ
話題に のぼらなくなった。
ただ一人 言語学者の
ノルバウ・ダ・シルバだけが→
二人の言葉を 研究し続け→
ごく一部では あったが単語の意味を明らかにした。
言語調査の過程で ノルバウは
二人が ある言葉を口にする時→
悲しく 苦しげな表情を
することに 気づいた。
もしかしたら かつて 二人の身に
起きた事と 関係があるのでは…。
それは 次のような
3つの言葉だった。
強い光を意味する
「タチ」という言葉。
雷や火事などの災害によって
部族が滅んだのかもしれない。
矢を意味する 「ウイ」という言葉。
「ほかの部族から襲撃を受けて→
皆 死んだ」ということを
伝えたいのではないか。
3つ目は

銃を意味する「ムケ」だった。
銃を持った開拓者に襲われ
絶滅したと言っているようだった。
結局 フナイは こう 結論づけた。
「二人は→
絶滅したと思われる イゾラド
部族の 最後の生存者である」。
アウレとアウラは
流転の日々の中で→
ひたすら
矢を作り続けていたという。
だが 二人は
狩りのしかたを知らなかった。
狩りも しないのに
いや そもそも 弓すら ないのに→
ただ 矢だけを
作っていたというのだ。
部族が絶滅したのは 彼らの
幼い頃だったと考えられる。
そのため 狩りのしかたを
習うことが できなかった。
だが二人は 何らかの幸運によって
生き延びることが できた。
それは アウラの足が不自由な事と
関係があったのかもしれない。
アウラと 一緒に いたため→
アウレも 部族の人たちと行動を 共に できなかった。
それが幸いしたのではないかと…。
いずれにしても 彼らは二人だけで 森を生きてきたのだ。
その コルボの少女は