2018/12/16(日) 16:45〜17:35 NHKスペシャル選 大アマゾン最後の秘境(4)最後のイゾラド森の果て未知の人々[字]


だが 私たちが訪れる10日前の出現を最後に→
彼らは 姿を見せなくなっていた。

雨季が始まると出現の回数が減るという。
上流に戻ったのかもしれなかった。
政府の調査団が近くの森を調べる事になった。
集落の長老が
道案内を買って出たが→
手には 猟銃が握られていた。
5キロ先の森を調べるという。
森は 静かだった。
道しるべに従って恐る恐る 森を歩く。
何かが 見つかったようだ。
マシュコピーロの住居のようだった。
やしの葉っぱを地面に
突き刺しただけの質素な家だ。
あっ あっ あっ あっ あっ。
ピュッ ピュッ ピュッ。
周辺からは
さまざまな動物の骨が見つかった。
森の動物を


食べ尽くして→
ほかの場所に
移動したようだった。
(取材者)ちなみに これ
何で こんな…。
気になるものがあった。
鉄の鍋とホーローの皿だ。
皿には 穴が開き
鍋は焦げ付き 変形している。
なぜ 文明社会と
接触した事のない彼らが→
鍋と皿を持っていたのだろうか?
1万年以上前から マシュコピーロは→
深い森の中で
動物を追って暮らしていた。
しかし 不法の伐採業者が→
森に流れ込んできた時期があった。
鍋と皿は その時に奪ったか
盗んだのではないか?
そして 両者の間で
何らかのトラブル→
恐らくは
命に関わる出来事があり→
彼らは森に逃げ込んだ。
だが 今度は森を横断する幹線道路が開通し→
見知らぬ者たちが
再び 森に入り込んできた。
彼らは 元いた森に戻る事にした。
取締りによって伐採業者は姿を消していたが→
新たな異物が出来ていた。

10家族 100人が暮らすモンテ・サルバードだ。
自分たちの森に
見た事もない集落を発見した時→
彼らは 何を思ったのだろうか。
聞きたい事は山ほどあったが→
マシュコピーロの集団は
一向に姿を現さなかった。
(拍手)
♪♪~
調査が終わり 政府の調査団が
街に戻る事になった。
♪♪~
集落の人たちは伝統の踊りで見送った。
♪♪~
私たちも モンテ・サルバードを去った。
だが その3週間後…。
集落は 100人を超えるマシュコピーロに襲われた。
人々は 船で脱出したが→
家は荒らされ家畜の全てが殺された。
バナナを介したやり取りが
あった事など→
みじんも感じる事ができない
徹底した破壊に見えた。
襲撃から1か月後→
政府の調査団が集落に入った時彼らの姿は どこにもなかった。
森を捜すと その入り口に
カエルの死骸が つるされていた。
ここから先は 入るな。
それは 先住民の社会に伝わる拒絶の意思表示だった。
♪♪~

更に 半年後の事だった。
別の場所で 事件が起きた。
青年が弓矢で襲われ殺されたのだ。
放たれた矢は
心臓を正確に射ぬいていた。
現場に 弓矢が残されていた。
弓矢は モンテ・サルバードのものとは明らかに形状が異なっていた。
弓の柄の部分が
二重に補強されている。
青年が殺されたシベチアリ集落は→
モンテ・サルバードから150キロ近く離れていて→
同じマシュコピーロとは考えにくい。
距離と弓矢の形の違いから別のグループが現れたと推定された。
シベチアリ集落も
比較的 新しい村だった。
ここに暮らすマチゲンガ族は→
文明社会と100年以上前に接触していた。
自給自足をやめて 久しい。
現金収入の ほとんどは近年流行の エコツーリズムのガイド。
そして 集落が運営する