2018/12/22(土) 21:00〜21:50 NHKスペシャル 平成史 第3回▽“劇薬”が日本を変えた〜秘録 小選挙区制導入[字]

その劇薬は 55年体制と呼ばれた戦後政治の形を一変させた。
平成日本の かじ取りを担った
政治家たちが 真相を語った。
1994年 平成6年に
衆議院で導入された小選挙区制。
劇薬とも言われた
選挙制度の下で→
自民党は
政権の座を一度奪われた。
100議席以上 有していた社会党は→
僅か2議席にまで激減した。
2019年4月で
幕を閉じることになった平成。
平成は 私たちにとって
どのような時代だったのか。
新たな証言や新発見の資料から→
激動の30年を見つめるシリーズ→
「平成史 スクープドキュメント」。
第3回は政治家たちの肉声から浮かび上がる→
小選挙区制導入に至る 1,800日の舞台裏。
今回 私たちは小選挙区制 生みの親と呼ばれた→
元副総理が つづっていた
膨大なメモを入手した。
そこには 政治への
強い危機感が記されていた。
平成の初め
多くの国民が熱狂的に求めた政治改革。
私たちは
新たな選挙制度を選択した。
それは 政治に緊張感をもたらし→


日本は 政権交代可能な時代に突入した。
大きく飛躍することを
誓います!
しかし それは
民意の振れ幅が極端な→
オセロゲームのような
政治状況を生んだ。
そして 平成が終わる今→
政党の離合集散の果てにたどりついたのは→
一強多弱といわれる政治の姿。
劇薬はなぜ どのように導入されたのか。
平成という時代を形づくった
その知られざる原点を見つめる。
♪♪~
竹下派内の動きについて金丸前副総裁は…。
<私が 政治記者としてのキャリアを
スタートさせたのは→
1989年 平成元年8月>
<前の月に行われた参議院選挙で自民党が歴史的敗北を喫するなど→
政治が大きく動き始めた年でした>
<そのきっかけは リクルート事件>
事情聴取は いつ受けられますか?
ちょっと まだ…。
<複数の有力政治家に
値上がりが確実な未公開株が配られた→
戦後最大級の疑獄事件でした>
選挙制度の改革は…。
<国民の怒りが高まる中で→
与野党が利害を抱えながら議論していたのが→
選挙制度の在り方でした>


<1つの選挙区から3人から5人程度の議員が当選する→
当時の中選挙区制。→
カネのかかる政治の温床とも言われていました>
<自民党は 多くの選挙区で
同士討ちの構図となり→
サービス合戦が
助長されていたからです>
<1986年 昭和最後の衆議院選挙。→
私は 最初の配属先の岡山で選挙取材に当たっていました>
<岡山2区では 派閥の異なる
自民党の有力政治家同士が→
激しく競い合いました>
<一方 一定の支持があれば議席を確保できるため→
野党側にも うまみのある
選挙制度とも言えました>
<平成の初め
この中選挙区制を変えるかどうかが→
日本政治の最大の焦点だったのです>
東京・永田町の自民党本部。
その地下倉庫に→
選挙制度改革の原点を記録した未公開の資料が眠っていた。
政治改革委員会。
高まる政治不信に危機感を強めた自民党が→
1989年 平成元年に立ち上げた。
会長は 党の重鎮 後藤田正晴。
警察庁長官から政界に転じ→
官房長官などを歴任した実力者だった。
70歳を超えていた後藤田は→
政治改革を最後の仕事と考えていたという。
それは なぜなのか。

後藤田が政治のあるべき姿や理念などをひそかに書き留めていた 膨大なメモ。
そこに つづられていたのは
時代の激しい変化と→
それに対応できない政治体制への
強い危機感だった。
所得倍増や
国土の均衡ある発展を掲げた→
戦後の自民党。
しかし 右肩上がりの成長を前提とした国家運営は→
過去のものになろうとしていた。