2018/12/24(月) 18:15〜19:00 ten.【どうなっten!?本村弁護士の(秘)法律解説】[字]


ころがいっぱいありますよね。
>>そうですね。なので、
どこまで責任を取ってもらえるのかなんですけれども、こちらです。
従業員や会社にどこまで責任を取

ってもらえるのか。
>>そもそもですね、
日本には、
火事を起こした場合に、
失火責任法という法律があるということをまず一つ、
覚えておいてください。


これ、
明治32年に作られた古い法律な
んですが、
今でも生きています。
これはどういう法律かというと、火事を起こした場合でも、
重大な過失がない場合は、
責任取らなくていいという法律なんですね。
なんでこういう法律があるかとい
うと、日本では木造住宅が多いで
すから、
火事をいざ出してしまっても、自分の家だけではなくて、
ものすごく広範囲に火事が広がっ
てしまうと、
それを全部火元の家に責任取らせ
るのはかわいそうすぎるという発
想で作られた法律で、よっぽどの
過失がないかぎりは、一切、
責任取らなくていいという考えだ
ったんですね。
ただ、
今回のケースは爆発ですから、今回のような爆発の場合には、
失火責任法の適用は実はありませ
ん。
だから責任を取ってもらいます。
>>弁償してもらうということに
なりますね。
じゃあ、
けがをされた方など。
>>こういう治療費であるとか、
壊したものの弁償とか、

それから休業損害など、
全部責任を取らないといけないと
いうことになります。
>>それが個人か会社かですよね。
>>そのとおりですよね。
事故を起こした従業員個人にとて
も責任は取れないと思います。
弁償能力がありませんからね、と
いうことで、今回のようなケース
では、
従業員を雇っていた会社が、
責任を負う形になると思います。
>>高岡さん、
当然火を使ってますよね。
ですから、
爆発はもちろん不動産会社なんで
しょう。
だけど、
火事が広がったのは、お隣の店のガスが漏れたからですと、
こう主張されたら、
どうなりますか。
>>複数の要因が重なって、
被害が拡大したというようなケースでは、
それぞれの事故の原因を特定して、
場合によっては、
複数の原因が重なったと、
共同不法行為といって、複数の加害者が存在して、
それぞれ一定の割合で責任を負う
ということになる可能性がありま
す。

>>ということは、治療費もらっ
たりする方々にとっては、ちょっ
と長期化するおそれがありますね。
>>非常に法律関係が複雑になる
可能性も出てきています。
>>そしてスプレー缶といえば、
こちらです。
行政が義務づけるスプレー缶のガ
ス抜きを無視して、
ごみ出しをして爆発した、こうい
った場合、法律的にはどうなるの
か。
これもちろん、
自治体によってこのガス抜きの方
法って違うんですけれども。
>>理論的には、やはりルールに
従わずに、結果、
事故を起こす原因を作ったという
方には、責任を負わなければなら
ない可能性もあります。
ただやはり、
スプレー缶の処理って非常に難し
くて、
そもそもガス抜きをする、
あるいは穴を開ける作業のときに火災が起きることもあるし、
かといって何もしないで出してし
まって、火事になるというケース
もありますから、
これは個人の方に責任取れと言ってもなかなか難しいケースだとは
思います。