2019/01/03(木) 09:15〜10:05 NHKスペシャル選 プラネットアース�U「第2集 激変の大地に生きる」[SS][字]


大気が不安定になると突然 強い風が吹き荒れ→
砂を猛烈な勢いで巻き上げる。
♪♪~
乾ききった大地にも

まれに雨が降る事がある。
♪♪~
猛烈な勢いで降り注ぐ大雨。
せき止めるものがない大地で
水が大氾濫を起こす。
♪♪~


水は 数日のうちに大地に染み込み 消える。
そして 新たな変化を引き起こす。
乾燥に耐えていた植物の種が一斉に目を覚ますのだ。
この大地の激変を利用して→
驚きの生存戦略を編み出した生きものがいる。
それが このバッタだ。
ふだんは数が少なくひっそりと暮らしている。
ところが 数年に一度
大雨が降り 緑がよみがえると→
スイッチが入る。
特殊なフェロモンを出し成長を加速させる。
そして 次々と卵を産み
爆発的に数を増やすのだ。
大群となったバッタたちは→
食べものの草を求めて地面を大行進する。
バッタは 一日に 自分の体重と
同じ分量の草を食べる。
すさまじい勢いで
草を食い尽くしていく。
♪♪~
すると 驚く事が起きる。
脱皮を繰り返し 成虫になると
羽が生える。
この成虫は 正常な時に比べて
はるかに高い飛翔能力を持つ。
バッタたちは
更なる食べものを求めて→
空へと飛び出す。
♪♪~
風に乗って

一日に最大100キロ以上も移動する。
そして 飛んでいった先で
世代交代を繰り返す。
そうして 大群は
ますます膨れ上がっていく。
これほどの大発生が起きるのは
およそ10年に1度。
この大群 数は数億匹にも上る。
覆い尽くす面積は東京23区が すっぽり入るほど。
そして たった1日で
4万トンもの草を食べ尽くす。
数年に一度の大雨を利用して
広範囲に子孫を残す。
したたかで
驚きに満ちた生存戦略が→
小さなバッタに秘められている。
♪♪~
あらがう事ができない大地の激変。
灼熱の大地も→
とてつもない大雨も→
大気と水が循環するこの星の宿命だ。
そんな地球が→
多様な生きものが暮らす命の星になったのは→
あるものの存在があったからだ。
それは 草。
中でも イネ科の植物だ。
この草が 地球全体に広がり始めたのは→
およそ 3,500万年前。
寒さや乾燥 洪水など→
環境の激変に対する適応能力が

極めて高いのだ。
乾燥が引き起こす野火。
焼き尽くされた草原。
しかし 灰の下では
強じんな根が生き残っている。
そのため
驚くほどのスピードで復活する。
しかも 新しい草は
やわらかく 栄養も豊富。
生きものにとって
掛けがえのない食べものだ。
この驚異的な生命力が
地球を命の揺りかごに変えた。
現在 陸地のおよそ3/3を
草原が覆っている。
地球上で最も多くの生きものを
育む場所。
それは草原だ。
生きものたちは草を巧みに利用するよう→
進化を遂げてきた。
その一つが 草食動物のサイガだ。
ここは 中央アジアの大草原。
一年の寒暖差は70度を超える。
サイガは
この奇妙な形の鼻を使って→
草の新芽を育む雨の匂いを
数十キロ先でも 嗅ぎ取る。
サイガは 新鮮な草を求めて→
この大草原を移動しながら暮らしている。
何から何まで 草の助けを借りて