2019/01/07(月) 22:00〜22:45 プロフェッショナル 仕事の流儀「答えを求めて、声を探す〜声優・神谷浩史〜」[解][字]


これまでの生き方を振り返った。
その後 神谷は
がむしゃらにオーディションを受けた。
これだと思う仕事があれば

必死に売り込んだ。
つかんだ仕事では 相手の期待を
上回るよう 徹底的に役になりきった。
(神谷)
自分からアプローチすれば 居場所を作ってくれようとするんだなって。
ああ 自分の居場所は


ここにはあるんだって。
「俺はまだ
暗闇に支配されてるのかもしれない」。
新境地を求めて挑む…
「分かるのか! 殺された者の気持ちが!」。
声優業界の仲間たちと立ち上げた…
音楽や照明などの演出に加え→
キャラクターをイメージさせる
人物を配置。
「だから それを確かめたいんです」。
演技ではなく 声だけで進行していく新しい舞台だ。
模索し続ける…
朗読会まで1か月を切っていた。
舞台に立つ神谷の他 スタッフ10人が
顔を合わせた。
シナリオや全体の演技構成について
声優たちをサポートする。
この日は 物語の大きな流れが検討された。
シナリオは神谷の発案で作られた完全オリジナル。
そのため脚本家から上がってきたセリフを
神谷自らチェックする。
神谷たちが目指すのは
新しいジャンルの舞台。
俳優の演技を楽しむのではなく
あくまで声優の声で見せていく舞台劇だ。
声だけの演技で 2,000人の観客を
満足させられるか。
神谷は そこに 声優の新たな活動の場を
見いだそうとしていた。
おはようございま~す。

(一同)おはようございます。よろしくお願いします。
台本が出来上がり 通し稽古初日を迎えた。
ここからは 声優たち自身が受け持つキャラクターに合わせて→
より適したセリフに作り上げていく。
[外:E806D1481CFA721DA5F60413531F39BD]
神谷が演じるのは 青柳という
詐欺グループのリーダー。
一見 冷静沈着に
物事を進める男に見えるが→
実は感情に流されやすいという
弱みがある。
この青柳の心の揺れが
物語のラストで一つの見せ場となる。
その感情の起伏を
声だけで表現しなければならない。
早速 セリフの言い回しについて
検討が始まった。
神谷が特に違和感を感じたのは
クライマックスのシーンだった。
物語は 青柳たち詐欺グループと
悪徳刑事 黒部の→
対決が描かれる。
あんたも 俺たちのことは警察にしゃべらないでくれ。
青柳たちは知略を巡らし
私腹を肥やす黒部を破産に追い込む。
そして…
そのクライマックスのシーン。
黒部に対し
憎しみの感情を爆発させる青柳が→
思いとどまり

冷静さを取り戻すというシーン。
だが 今のセリフでは
この感情の流れが理解できないという。
ありがとうございました。
おつかれです。
結局 この日 解決策は見つからなかった。
1週間後 2回目の通し稽古。
待て!
うん。 フフフ…。
やはり クライマックスでのセリフが
納得いかない神谷。
セリフが変更された。
青柳は 恋人が殺された事実を→
黒部に突きつけるが…。
黒部は 「だれだ それ?」と反応。
最高潮に達した憎悪を
「黒部!!」に込める。
この2つのセリフが新たに追加された。
そして 仲間の呼びかけで少し冷静さを取り戻す 青柳。
このまま黒部を殺せば→
自分も黒部と同じ種類の人間だと気付き→
青柳は思いとどまる。
セリフが固まった。
あとは この感情の流れを
声だけで表現する。
それでは お待たせいたしました。
夜の部 開場させて頂きます。
2,000人の客席は 全て埋め尽くされた。
♪♪~
声を ギリギリまで 探る。