ある調理器具のお話＞
＜ この日 渋谷の東急ハンズで[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
女性客が足を止め
何かに見入っていた＞
＜フライパンだ。
チャーハンで実演販売中。
普通のフライパンと
どこが違うんでしょう？＞
＜確かに家で作ると[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
こんなごはんの塊ができちゃうんですよね＞
＜ でも…＞
＜ おお～ チャーハンのＣＭみたい＞
＜ このフライパンを使えば 簡単に
中華料理屋さんに負けない[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
パラパラチャーハンが作れるという＞
＜ お客さんからはこんな声が…＞
えっ そんな前からあるんだ。
＜女性客のハートを一瞬で射止めた[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
このフライパンのキャッチコピーは…。
「いつもの料理が感動の美味しさに」。
その名も 魔法のフライパン。
鉄の鋳物のフライパンで[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
１枚１万円もする。 でも…＞
＜ こんな調子で年間 １万７０００枚が売れる[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
大ヒット商品なのだ＞
＜ その実力をもう少し見てみよう＞
＜ こちら 伴枝里香さんは[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
魔法のフライパンの熱烈ファン。
発売された当初から なんと
１８年も使い続けているというが＞
＜ ほとんど傷もついていない。
どんなところがお気に入りなんでしょう？＞
とにかく[外:8E5B873AC8E1BF84246B281B3548C2FF]
＜今夜のメニューは ポークソテー。
片面だけに
粒コショウをたっぷりつけて…＞
＜コショウをつけた面を下にして
魔法のフライパンへ＞
＜フタをして蒸し焼きに。
２分ほど焼いたらひっくり返す＞
＜ おお～ ホント
おいしそうな焼き色がついた＞
＜短い時間で焼きあがるので
よく見ると[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
コショウも焦げついていない。
表面こんがりで肉汁を閉じ込めるから[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
中は 驚くほどジューシーだ＞
＜使ったあとは 熱いまま洗える＞
＜ こっちは洗剤も必要なく
たわしでこするだけ。
あとは 水分を飛ばせばＯＫ＞
＜フライパンが焼けたところへ次の料理へ。
２品目は アサリを炒め[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
料理酒を投入。
アサリの酒蒸しだ＞
これで ほぼ…。
＜鉄の鋳物は
貝殻くらいじゃ傷つかない＞
＜作り始めて
わずか１分半で出来上がり。
魔法のフライパンは
蒸し時間まで短くてすむ＞
＜ だから
アサリの身から旨みが逃げず[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
ふっくら仕上がるという＞
＜支度が整い早速 ご主人が箸を伸ばした＞
＜魔法のフライパンにほれ込んだ
奥さんは[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
友人に祝い事があると
必ずプレゼントしているという＞
＜ そんな特別な
フライパンを作った会社は[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
三重県の木曽岬町という
田舎町にある＞
＜ この錦見鋳造という会社だ＞
＜本社の奥の工場は…。
うわ すごい熱気。
冬でも３０℃を超える暑さに＞
＜ ここは創業５８年を数える
鉄の鋳物のメーカー＞
＜社員は わずか１１人で[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
長年 工業部品などを下請けでつくってきた[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
いわゆる町工場だ＞
＜ こんな小さな会社が売れに売れている[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
魔法のフライパンを作り上げたのだ＞
＜鉄鋳物の調理器具はどうしても重くなる。
このすき焼き鍋も重さは２キロ以上。
底の厚さは５ミリが限界とされてきた＞
＜ その常識を覆し
厚さ１．５ミリという[外:583134B86E7D90960F64C5B863196978]
鋳物ではありえなかった
薄さと軽さを実現。
例えば 直径２４センチのタイプなら８５０ｇ。
アルミのフライパンとほぼ変わらない＞
＜ その製造工程も
驚きに満ちている。
ほとんどが 職人による手作業だ＞
＜原料はこれ。
鉄鉱石から作られた