2019/01/14(月) 00:00〜00:45 地球ドラマチック「コロッセオで大実験!世界遺産の舞台裏」[二][字][再]


どこにも記録がありません。
その秘密は

コロッセオの地下にあると考える→
研究者たちがいます。
コロッセオの地下空間は壁で仕切られた回廊が→
迷路のように入り組んでいます。
考古学者のハインツ ユルゲン・ベステは観客からは見えない地下空間に→
大がかりな演出を可能にする
仕掛けがあったと考えています。
(ベステ)
当時 ここは真っ暗でした。→
頭上にはステージの床があり→
明かりは たいまつと小さなランプだけでした。
現在は 一部のステージだけが
再建されています。
かつては木製の床が張られ
その上に砂がまかれていました。
木製の床や柱は朽ち果て
はるか昔に失われました。
しかし ベステは 地下の壁に残る


多くの溝に注目しました。
謎めいた溝が
何なのかを解明するため→
ベステは地下の壁をスケッチし→
2年以上の月日をかけて答えを見いだしました。
壁には 木製のはりによってついた
跡があります。
地面には 等間隔でコンクリート製の
丸い穴が開いています。
(ベステ)これも仕掛けの謎。→
つまりパズルを解くピースの一つで巻き上げ機の土台です。
巻き上げ機とは→
円柱を人が回転させて物を持ち上げる機械です。
(ベステ)実に よくできています。
その上の所にスロープでついた くぼみが見えます。
これらのピースを組み合わせると
仕掛けの構造が見えてきます。
舞台の床を支える支柱が
地下から延び→
柱の途中には 人が立つ事のできる
はりがありました。
作業員が回す 巻き上げ機。
動物の おりを運ぶエレベーターの枠組み。
そして 落とし戸。
落とし戸は動物が舞台に出ていく際の→
スロープになります。
この仕掛けによって→
動物を舞台に
せり上げていた可能性があります。
(ベステ)床や壁の痕跡からみて→

地下には いくつものエレベーターがあったと思われます。
ベステは コロッセオの地下に→
28ものエレベーターが存在した証拠を見いだしました。
かつて 魔法のように
猛獣が現れたという演出は→
このエレベーターに
よるものだったのでしょうか。
それを確かめるために ベステは
古代ローマのエレベーターを組み立て→
世界遺産であるコロッセオに
設置したいと考えています。
そして 実際に
動物を放つ事ができるかを→
検証するのです。
そもそも なぜローマ帝国は血生臭い見せ物のために→
巨大なコロッセオを
建設したのでしょうか。
答えは 意外な場所にありました。
コロッセオの近くに 長年放置され→
観光客がベンチとして利用していた
古い石材がありました。
1800年代 石の表面に
5世紀ごろの碑文が発見され→
博物館に
展示される事になりましたが→
ほとんど注目される事は
ありませんでした。
ところが ある日
考古学者のロゼッラ・リーが→
その碑文の下に 別の文字が

隠れている事に気付きました。
注目したのは 文字のそばにある
たくさんの奇妙な穴でした。
(リー)穴が規則的なパターンで
並んでいるのが→
肉眼でも確認できました。
穴の並び方を調べたところ→
別の文章が
浮かび上がってきたんです。
穴は 青銅製の文字を→
石に留めるためのものでした。
この穴はアルファベットの「I」。
皇帝インペラートルを表します。
穴をつなげていくと
元の碑文が現れました。
「皇帝ウェスパシアヌスは戦利品を投じて→
円形闘技場の建設を命じた」と書かれています。
ウェスパシアヌスは 西暦69年に
皇帝の座に就いた人物です。
皇帝は即位した翌年