2019/01/14(月) 00:00〜00:45 地球ドラマチック「コロッセオで大実験!世界遺産の舞台裏」[二][字][再]
ギリシャ建築をまねたものが多いんですが→
円形闘技場だけは違います。→
剣闘士を戦わせるという目的のために造られた→
ローマ特有のものです。
古代ギリシャには半円形の劇場がありました。
コロッセオは それを2倍にしたものに
似ています。
しかし 決定的な違いは
形が2倍の円形ではなく→
楕円形だという事です。
(ジョーンズ)闘技場は 四角いと→
すぐに 身動きが
とれなくなってしまいます。
コーナーに
剣闘士が追い詰められると→
すぐに決着がつきます。
しかし 楕円形ならば剣闘士が長時間 動く事ができ→
最高の娯楽を提供できるのです。
大観衆の前で剣闘士を戦わせる闘技場は→
ローマ帝国特有のものでした。
それは皇帝の権威や→
ローマ帝国の力を表す
シンボルだったのです。
(ジョーンズ)コロッセオに詰めかけ
熱狂する観衆は→
5万人に上りました。→
それはローマ市民の誇りを感じる事のできる→
最高の機会だったでしょう。
いよいよエレベーターの製作が始まりました。
(バルファルディ)縮尺模型から
実物へ移行するのは→
簡単ではありません。
寸法を4倍にすれば→
小さな問題点も
その分 大きくなるからです。
動物を入れる おりは
頑丈でなくてはなりません。
重さは360キロ以上にもなります。
ライオンやトラを中に入れる事もあるんですから→
おりの強度を
軽んじるわけにはいきません。
(バルファルディ)どうやって
コロッセオの中に運ぶかが難題です。
世界遺産に傷をつけるわけには
いきませんからね。
世界遺産である現在のコロッセオは→
落成から2000年近い時を経た廃墟です。
かつてのコロッセオの壮麗な姿は→
ローマ帝国で鋳造された硬貨や→
さまざまな彫刻から
知る事ができます。
壁のアーチには 160体の
ブロンズ像が立っていました。
ギリシャ神話の神々や英雄の像です。
一番上の層には戦いを象徴する青銅の盾が光り輝いていました。
コロッセオの装飾はローマの人々が
ギリシャの芸術と文化を愛し→
その伝統を受け継ぐと同時に→
いまや ギリシャをしのぐ新たな大国である事を→
うたい上げていました。
北側の入り口のアーチには→
青銅の戦車が飾られていました。
皇帝が堂々たる入場を果たす専用の門です。
しかし 皇帝ウェスパシアヌスは→
そのアーチをくぐる事はありませんでした。
コロッセオ完成の僅か数か月前に
この世を去ったのです。
残された遺産。
コロッセオを完成に導いたのは息子である次の皇帝ティトゥスでした。
西暦80年 新しい皇帝ティトゥスは→
コロッセオのお披露目の祭典を催しました。
古代ローマの詩人マルティアリスが→
祭典の様子を書き残しています。
「100日間にわたる公開処刑。→
猛獣の見せ物。 剣闘士の戦い。→
歴史上 初めて手の込んだ演出で→
実際の死者とともにギリシャ神話が上演された」。
(ウェルチ)コロッセオの お披露目の
出し物の一つが→
ギリシャ神話劇をかたどった
公開処刑でした。
処刑を待つ囚人たちは→
ギリシャ神話の登場人物のふん装をさせられました。→
そして 物語を演じながら
命を奪われました。→
実際に血が流れたのです。
詩人マルティアリスがとりわけ驚いたのは→
舞台に水を張って
船同士を戦わせる演目→
模擬海戦でした。
何百人もの戦争捕虜が観客の前で殺し合い→
大勢が溺れて死にました。
マルティアリスは死者の多さよりも→
舞台を海のように変える演出に
驚いています。
しかも 上演後は素早く水を抜き→
再び剣闘士の戦いに使われたというのです。
古代ローマ人は
水を運ぶ達人でした。
何十キロも離れた山から