差し色でピンク。
ああ。
ああ　ありがとう。
いつも控え目の奥様が
張り切ってらっしゃる。
お人が変わったみたい。
女狐が　本性を現したのよ。
ねえ　ミラノで

どんなふうだったの？
１晩５０万円のスイートルームに
泊まって　毎晩パーティー。
お陰で　商談が
まとまったんでしょう。
それは言えるわね。
今回は　社長よりも美津さんが主役。
やっぱり大した女よ。
ふ～ん…。
♪♪～
気をつけて。大丈夫だよ！　これ。
ちょっと　お待ちください。


ホントにお疲れでございましょう？
ねえねえ　君！　ねえねえ…！
今度のミラノ君　最高だったよ！
ご成功　おめでとうございます。
あれ　あの　美津の働きだよ。
わしゃね
彼女を見てね　惚れ直したよ！
ホントに奥様
生き生きしてらっしゃいます。
それで　わしね
踏ん切りがついたんだ。
旦那様　大丈夫ですか？
どうぞ。　ホントに…。
まぁ　大変な
お事業なんでしょう？
あのね　自慢じゃないがね
自分の愛人にだよ？
あれだけの事をさせる経営者は
現代には　おらんよ！
はい。　あの　旦那様　おズボンは？
いいよ　いいよ。　あのな…。
じゃあ　眼鏡は危ないですから。
あのな　昔はおったよ。
太閤秀吉がそうじゃ。
淀君のために淀城をお造りした。
そして　醍醐の花見をやったろ？
そうです。
でも　それが最後でした。　はい。
あっ　ありがとう。
しかしな　あれは　君

淀君のためじゃなくて→
太閤自身のためかもしれんよ。
自身のため？そう！
男っちゅうものはな→
自分の力を見せる女がいる事がね最高の幸せなんだ。はい。
わしは　美津のお陰で
その喜びを知ったんだよ。
今までの俺はね
ただ事業欲の男だったよ。
事業　事業って
どんどん　どんどん→
事業を広げていくだけが
私の生きがいだったさ。
でも今は　奥様とご一緒に。
そう！　今度のミラノでな→
美津はな　わしの気持ちを
よーくわかってくれた。
わしらね　一心同体になったよ！
はい。
反対する野郎は
いくらでもいるだろうけどな→
そんな謀反どもはね
わしがギロチンにかけてやる。
今から行ってくる。
旦那様　そんな興奮したら…。
お休みください　お休みを。
お体に悪いですから。
気持ちを静めて　お休みください。
ああ…。
ああ　ご苦労さま。

盛会だったねぇ。
私の名前がブランドに…。
子供の頃からの夢だった。
後が大事よ。
後は　もう考えてないの。
ダメよ。
私と違って　あんたにはこれからの人生が…。
結婚します。
結婚？
≫（茂子）誰と？
≫花山社長。あっ…。
ははっ　バカな事
言うでなかとよ。
旦那には
本妻さんがおらすとよ！
三月前に離婚を…　奥様のほうから
言い出されたんですって。
いつ聞いたの？
ミラノで…プロポーズされました。
まさか…