2019/01/26(土) 10:55〜11:50 奇跡体験!アンビリバボー[再][字]

<時は 今から34年前に さかのぼる>
<12歳の少年
マット・ノーマンは→
ある場所に
足しげく 通っていた>
(マット)うん。
<マットは 高校で体育を 教えている→
この おじが 大好きだった。
なぜなら…>
(マット)うわー。 すげえ。
<いつも手品を 見せてくれる→
愉快な おじさんと いうだけでは
なかった>
(マット)ねえ? おじさん。
(ピーター)よーし。 いいか?
<そう。 ピーターは 15年前
オリンピックで→
銀メダルを 勝ち取った
トップ アスリートだったのだ>
<だが マットには
ある疑問が あった>
<陸上の オリンピック メダリストとも
なれば 国の英雄>
<引退後は 大学や ナショナルチームの
コーチに 招かれたり→
政治家や テレビの
タレントに なったりするなど→
活躍している者も 多い>
<だが…>
<銀メダルを 取ったはずの


ピーター・ノーマンの 名前は→
オーストラリア人でさえ
知る者は ほとんど おらず>
<彼は 高校で 体育を
教える傍ら 精肉店で…>
(マット)ねえ?
(セルマ)ええ。
(マット)じゃあ…。
(セルマ)それはね…。
<ピーター・ノーマンが
語り始めたのは…>
<今から 75年前>
<彼は オーストラリアのメルボルン郊外で→
貧しい 労働者階級の家に
生まれた>
<走るのが 大好きだった
ピーターは→
地元の 陸上チームで
活躍していたものの→
シューズを 買ってもらえないほど貧しかった>
<だが…>
<当時の オーストラリアには→
彼よりも 不幸な人々が大勢 いた>
<当時の オーストラリアには→
先住民の アボリジニやアジア系移民など→
有色人種への差別が
色濃く 残っていた>
<それは
イギリスの 植民地だった→
18世紀に始まる 白豪主義という


政策によるもの>
<何事にも 白人が 優先され→
有色人種は オーストラリアの市民権が 得られないなど→
長年 法的にも
迫害されていたのである>
<だが ピーターは…>
<敬虔な クリスチャンだった両親と共に→
貧しい 有色人種の人々に
炊き出しを 行うなど→
白人で ありながらも
差別することは 決して なかった>
(ピーター)んっ。
<だが このとき 彼はまだ 知る由もなかった>
<父親から 受け継いだ
信念を→
後に 思いも寄らない場所で
試されることを>
<小学校を 卒業後 家計のために
精肉店で 働き始めた ピーター>
<だが 仕事の傍ら 大好きな
陸上だけは 続けていた>
<リレーの選手として
頭角を現すと→
やがて 200m走に 転向>
<すると その才能が一気に 開花>
<ついに オリンピック代表に→
選ばれたのだ>
<そして…>
<だが このとき ピーターは母国 オーストラリアでさえ→
まったく

期待されていなかった>
<なぜなら
当時の 陸上 短距離は→
アメリカが 絶対王者として
君臨>
<特に ピーターが 出場する
男子 200mは→
世界記録保持者
ジョン・カーロスをはじめ→
トミー・スミスら