2019/01/27(日) 13:50〜15:00 あの日 あのとき あの番組「シリーズ平成 冷戦終結の衝撃 そして世界は」[字]


すっかり落ち着きを取り戻していた。
1週間の戦いの疲れを癒やすように→
若者たちは 深い眠りに落ちていた。
ゼレシュは 静かに語りかける。
ゼレシュの革命7日間の記録の終わりは→
テレビ局であった。
大きなパンをはじめ市民から届けられた食料品が→
積み上げられていた。

ゼレシュは放送局のスタッフが見入っている→
テレビ画面を撮った。
(テレビ)
チャウシェスク大統領の
処刑のビデオテープ。
ゼレシュの記録は
ここで終わっている。
スピル・ゼレシュ 46歳。
学生スポーツクラブの職員である。
彼は ドキュメンタリーカメラマンを
志望してきたが→
共産党員ではないため


思う仕事には就けなかった。
これまでは
学生のサッカーやラグビーの試合を→
撮影するばかりであった。
革命から1か月仕事の可能性は広がった。
今 彼は 革命後のルーマニアの
ドキュメンタリーを作ろうとしている。
もう一人のカメラマン チョバヌの
12月27日。
買い物をする市民たちを撮っている。
革命前には全く見られなかったオレンジ→
そして 外国製のチョコレートに
行列が出来ていた。
党の高級幹部のために
輸入してあったものが→
市内に出回ったという。
チョバヌのカメラは もう一つブカレストの表情を捉えていた。
街頭で自由に発言し始めた
人々の姿である。
チャウシェスク政権に関わった
共産党員の責任追及。
新たな救国戦線評議会の改革への不満。
チョバヌの 7日間の記録には→
これからの民主化を問う
市民の姿も収められていた。
ダン・チョバヌ 33歳。
「この革命が本当に成功するかどうか分からない。→
だからこそ これを
記録しておかなくてはならない」。
そういう思いが→

これまで政治とは距離を置いてきた彼を駆り立てた。
2人の市民が撮った 革命の7日間は→
人々の怒りや喜び 悲しみを捉えていた。
そして 独裁政権の残した深い傷痕と→
それを乗り越える新たな苦悩をも記録していた。
♪♪~
すばらしい番組ですね。
リアルタイムで その時に私は
この番組 拝見したんですが→
もうベルリンの壁が倒れてから
何が起こってんのか分かりませんから→
だから テレビに
くぎづけの状態だったんですが→
中でも そこにいる人が
ず~っと 映像に収めたものを→
ここで番組にされているので
リアルな手触りがありました。
番組のサブタイトルが「市民が撮った
革命の7日間」とありまして→
NHKの智片カメラマンが
銃弾の飛び交うブカレストで→
2人のルーマニアのカメラマンに
出会って→
2人が命懸けで撮った この映像を→
託されたということでこの番組が実現したわけですね。
これ ゼレシュさんから
お預かりした→
本当に その時の
ビデオテープなんですよね。
VHSですね。

はい。
世界に 自分たちが何を実現したのか
伝えてくれという→
ちょっと誇らしげな感じがありましたね。
そうですね。
このゼレシュさんなんですけれども
革命のあとは→
テレビ局に お勤めになった
ということなんですね。
そして もう一人のチョバヌさん
当時33歳でいらっしゃいましたけれども→
これ 現在のチョバヌさん。
革命の3年後にアメリカに渡って→
環境保護のお仕事をされてる
ということなんですね。
どうして ルーマニアを去ったのか
ということをお話しになっていまして→
革命から しばらくたって
本来求めていた自由ですとか→
幸福というのは