2019/02/03(日) 21:00〜21:50 NHKスペシャル「朝鮮戦争 秘録〜知られざる権力者の攻防〜」[字]


ソビエトの援助が必要です。
援助はできる。 だが 今は

用心する必要がある。
スターリンは
当時 唯一の核保有国だった→
アメリカとの全面戦争を恐れていた。
諦め切れない キム・イルソン。
その後も ソビエト側に
繰り返し支援を訴えていた。
もし 今 攻撃を行わなければ 私は
朝鮮人民の信頼と支持を失うばかりか→
祖国統一のチャンスまで
逃してしまいます。
我が軍は2週間 長くても2か月以内に
朝鮮全土を制圧することができます。
キム・イルソンの要求に
すぐには応じなかった スターリン。
ところが 会談の1年後 ソビエトは→
北朝鮮に大量の兵器を密かに提供し始める。
キム・イルソンに送った電報には


1年前とは打って変わり→
戦争に前のめりになる
スターリンの姿があった。
なぜ スターリンは
北朝鮮への軍事支援に踏み切ったのか。
このころ ソビエトは
悲願の原子爆弾の開発に成功。
アメリカに次ぐ
核保有国となっていた。
今回 入手した資料には スターリンが
中国を建国したばかりの毛沢東を→
モスクワに招いた時の記録があった。
この時 極秘とされていた→
原爆実験の映像を→
見せていたことが分かった。
スターリンは 核を保有したことで
アメリカに対抗する自信を深めていた。
アメリカは我々との戦争を
何より恐れるはずだ。
日本もまだ復活しておらず
戦争する能力はない。
原爆の威力は すさまじい。
映像に圧倒される毛沢東。
ところが スターリンは
その中国に対しても策略を巡らしていた。
私たちに資料を提供した沈教授。
中ソ間のある駆け引きに注目している。
当時 ソビエトと中国が結ぼうとしていた
軍事協定の草案。
…という箇所に

スターリンは強く抵抗していた。
中国東北部にある 東洋屈指の軍港 旅順。
第二次世界大戦の直後 ソビエトはこの港を日本に代わって支配し→
太平洋につながる
戦略上の要衝としていた。
中国の建国後 毛沢東は
旅順港の返還をソビエトに要求。
一方のスターリンは
手放さないための口実を探していた。
最終的にまとまった 中ソの軍事協定。
ここに スターリンは次の条項を加えていた。
一方 共産主義陣営に対峙し
韓国の後ろ盾となっていた アメリカ。
北朝鮮を差し迫った脅威と
見なしていなかった。
当時発表していた
防衛ラインからも韓国を除外。
GHQの占領下にあった
日本を→
資本主義陣営の最前線と
位置づけていた。
この間 水面下で
着々と戦争の準備を進めていた北朝鮮。
その動きに日本のある地方自治体が
神経をとがらせていた。
朝鮮半島から 200キロ。
多くの在日韓国・朝鮮人が暮らす山口県だ。
当時 山口県は
現地のラジオを傍受するなど→
独自に情報を集めていた。

知事は朝鮮半島で戦争が起きれば深刻な影響を受けるとして→
日本政府に懸念を伝えていた。
知事の進言は顧みられることはなかった。
日米両政府は
開戦に備える機会を逃していた。
1950年6月25日。
突如 10万の北朝鮮軍が 38度線を突破し総攻撃。
200台を超える ソビエト製の戦車や大砲で
装備された北朝鮮軍は→
韓国軍を次々と撃破した。
3日で 首都 ソウルを制圧し更に南へと侵攻を続けた。
当時 韓国軍の兵士として→
38度線で監視にあたっていたキム・ウンジュン氏 89歳。
北朝鮮軍の突然の襲来に
韓国軍は総崩れになったという。
このころ スターリンは
ピョンヤンに電報を送り→
進撃を促していた。
キム・イルソンが率いる北朝鮮軍は→
開戦から2か月で