2019/02/06(水) 18:15〜19:00 キャスト[字] 在宅医療希望する高齢者の願い▽戦時中に食糧不足で死亡した動物園のゾウ



糖尿病の症状は安定しつつある、

久夫さん。
自分が買い物に行けないため、
糖尿病食につきあわされている妻を気遣い、
おいしいものを食べさせたいと考
えているという。
「何が食べたいですか?」
「握りだよ。最近、駅のそばに寿司屋ができた」
「駅の前に。最近よ」
「久夫さん食べれるのね、上だけ」
「大丈夫だよ。ご飯食べても、多
少は」
久夫さんの症状が安定していると
はいえ、
なぜ院長は聞き入れたのか?
二人が結婚したのは、61年前。
「何をおっしゃるんですか」
夫婦で、金属加工会社を切り盛りしてきたが、
生活は安定せず、子宝にも恵まれ


なかった。
そんな夫婦の願いは。
病を抱えながらも、自宅で夫婦末永く暮らしたい。
この日やってきたのは、夫婦の生
活をマネジメントする
ケアマネージャーの松田さん。
治療の効果を確認する目的も兼ねての買い物同行。
久夫さんにとって、実に1年ぶり
の買い物だ。
「そう」
目指すのは、念願だったあの寿司店。
はやる気持ちを抑えきれない様子
の久夫さんだが、
転倒することなく、無事に店に到
着した。
この日購入したのは、大好きな握
りと、
清子さんの好物のかんぴょう巻き。
およそ1200円分。
これまで難しかった買い物を
無事に果たすことができた。
3年ぶりに口にするという寿司。
板橋区に、5年前に設立された、「やまと診療所」。
新たな医療の選択肢として、政府
も推進している
「在宅医療」を26人の医師を含
む、
およそ80人のスタッフが行って
いる。
その患者数は年々増え続け、

現在およそ600人の患者を24時間態勢で支えている。
在宅医療では、医師が中心となっ
て、
ケアマネージャーや訪問看護士、
ヘルパーたちと連携し、暮らしを支えるほか、
病院とも連携することで、速やか
な対応ができる。
この日、患者のもとを訪れていた
のは、
小笠原清香医師。
祖父を自宅で看取ったことをきっかけに、
4年前に大学病院から転職し、
在宅専門の医師として活動している。
家族と過ごしたいという思いから、
5ヵ月前に在宅医療に切り替えたという。
24時間態勢でのケアを受けるこ
とで、容体が安定。
家族との時間を取り戻した。
治らない病を抱え、
限りある人生をどう豊かに過ごす
のか。
2年前に在宅医療を選択した73
歳の中原好行さんも、
胸の奥に一つの願いがあった。
その影響で、動脈硬化が極度に進み、
肝硬変と足の病を抱えながらも、
飲酒や喫煙など、自己流の療養生活を続ける、
中原さん、73歳。
しかし、そんな生活の中で、中原さんは、
医師をも驚かせる驚異の回復ぶり

を見せていた!
「そう?」
一時は、寝たきりに近い状況だったという中原さん。
実は、驚きの肉体改善術に取り組
んでいた!
それは、誰の手も借りない、
毎朝3時間にも及ぶ、車いすでの散歩だった。
「おはようございます」
「おはようございます」
「来た来た!」
部屋に閉じこもってては、けっして味わえない
社会とのつながりが、
中原さんの日々の楽しみとなっていた。
「朝、散歩行くとさ、色んな人に
声掛けられるんだよ。おはようっ
て」
生きがいであった飲酒や喫煙を適度に許しながら、
本人が望む生活環境を整えたこと
で、
中原さんは今、