共有しています。
フルーツコウモリや
フタユビナマケモノもいます。
パリ動物園の飼育員は ナマケモノの
繁殖を心待ちにしています。
ところが オスは
ドームの天井を行ったり来たり。
メスは 木の上で過ごしています。
2匹が顔を合わせることはほとんどありません。
ただでさえ難しい
動物園でのナマケモノの繁殖。
チャンスは なかなか
訪れそうにありません。
パリ動物園には 「猿の岩」と呼ばれる
巨大な岩山があります。
その一角で 40年以上にわたって
ギニアヒヒが暮らしてきました。
何世代も続く 繁殖の成功の秘密とは
何でしょうか。
(鳴き声)
西アフリカのサバンナに生息するギニアヒヒは→
ハーレムに似た構造の社会の中で
生きています。
独特の鳴き声や 身振り手振りで
コミュニケーションを取り→
階級も存在しています。
主導権を握るのは メスたち。
階級は家系によって決まり 群れの王座は
メスからメスへと受け継がれます。
女王の娘が 次の女王となる仕組みです。
こちらは ポポコ。リーダー格の家系のメスです。
ポポコの左耳には 緑色のイヤータグが
つけられています。
若いポポコは出産したことがありませんが
どうやら その時期が訪れたようです。
突然 群れの子どもに
強い好奇心を抱き始めました。
親子に割って入ります。
ポポコの母親が高い地位にいるため群れのルールで→
周りは ポポコに手出しができません。
ポポコは 隙を見て子どもを さらおうとしました。
(悲鳴)
大混乱です。
♪♪~
数日後。
ポポコの体に変化が起こりました。
生まれて初めて お尻が赤く腫れあがっています。
発情期を迎えたのです。
ポポコの興味は 群れの子どもからオスへと移ります。
♪♪~
ポポコは 群れで最も体の大きなオスを選び オスは すぐに役目を果たしました。
ヒヒは メスだけで
出産と子育てを行います。
ポポコが無事に出産したかどうかは
半年後に分かるでしょう。
♪♪~
どこへでも自由に飛んでいけるのに動物園を 住みかとする鳥がいます。
カナダガンの つがいです。
渡りの途中 パリ動物園でメスが卵を産みました。
ここならば 生まれるヒナたちも安全です。
一方 こちらの水辺にも はるばる遠方からやって来た鳥類がいます。
出身地のパタゴニアを思わせる この崖で
暮らすのは フンボルトペンギンです。
プールの水温は 年間を通して
8度から12度に保たれています。
フンボルトペンギンは
南米大陸のペルーとチリの沿岸部→
比較的温暖な地域を生息地としています。
ペンギンは 海鳥の仲間。
フリッパーと呼ばれる翼を使って
水中を泳ぎます。
ここに暮らすフンボルトペンギンは 24羽。
実は 2つの異なる集団に分かれています。
彼らは 互いを ほとんど知りません。
地上にいるのは 古くからパリ動物園にいるグループ。
水中にいるのは 別の動物園から来た
スウェーデン生まれの新入りです。
2つのグループの見た目は
ほとんど変わらないため→
どのペンギンが パリっ子で
どのペンギンが スウェーデンっ子か→
区別がつきません。
(鳴き声)
一緒に暮らし始めてから 2つの
グループは 一度も交わっていません。
しかし ここ数日で 2つのグループの間に
不思議な変化が起きていました。
グループ同士の距離が 少しずつ縮まり→
徐々に 共に過ごすようになっていきました。
自然界では当たり前に起こる 交わりです。
♪♪~
最初に行動を起こしたのは
スウェーデンっ子のグループのオスでした。
パリジェンヌのメスは
オスのあとに続きます。
フンボルトペンギンは
一度 相手を選んだら→
生涯 離れることはありません。
2羽は 勢いに乗って関係を進展させます。
体をこすりつけ合い