2019/02/11(月) 22:00〜22:45 プロフェッショナル 仕事の流儀「この一貫に、心を尽くす〜すし職人・天野功〜」[解][字]


まだ 塩加減が満足できない。
何度か試作し
勘を取り戻さなければならない。
天野には 気がかりなことがあった。

今は 脂ののり具合がいいが20日後の大晦日の頃は どうか。
年末は ただでさえ良いサバは品薄になる。
十分に脂ののったものが そろうのか。
大晦日まで 1週間。
(かしわ手)
天野に 疲れが見え始めていた。


(ぶつかる音)
サバずしの試作は6回目。
天野は 理想の塩加減を模索し続けていた。
休日のこの日 天野は一人
なじみの店に出かけた。
ふだんは酒を飲まない天野が 口にする。
サバずし作り 本番の朝を迎えた。
脂ののりを 確かめる。
脂たっぷりの 間違いなく うまいサバだ。
サバ36枚の脂ののりを見定め
塩をしておく時間を決めた。
天野がサバずしに取りかかった。
ところが。
サバずしが
天野の理想の味になっていない。
予想をはるかに超えて
脂がのっていたサバ。
塩をする時間を読み切れなかった。
既に酢でしめている。
今から塩気を足すことは
もちろん できない。
代金はもらわず お土産として渡す。
そう決めた。
だが その時。
考え始めた。
差し上げるにしても
このままでよいのか。
天野が動いた。 このサバを生かし
もっとよいものにできないか。
天野のシャリは 通常より甘め。

その甘めのシャリを減らせば食べた時 口の中で→
よりサバの塩気を感じやすくなるはず。
巻きすで作ることにした。
出来上がったのは
小ぶりなサバずしだった。
これが今年の 天野のサバずし。
♪♪~(主題歌)
ハッハッハ!
♪♪~
天野は朝4時まで 黙々と 作り続けた。
♪♪~
今日した失敗を自分で認めて
それを明日の課題として→
一日一日を 大切に
歩んでいくことだと思います。
♪♪~
こんにちは。(天野)あ どうもどうも お寒い中。
そうなの?
まあ ありがとうございます。
すごい楽しみにしてました。
だから もうほんと これちょっと試食で 食べてみて。
酒と合わせて。
(天野)はい。 酒で ちょっとお願いします。
どうも ありがとうございました。
2019/02/11(月) 22:00〜22:45
NHK総合1・大阪
プロフェッショナル 仕事の流儀「この一貫に、心を尽くす〜すし職人・天野功〜」[解][字]

全国から予約殺到、北九州のすし職人の流儀!名だたる料理人をして「他の誰にも握れない」と評されるすしとは?九州の新鮮な魚介を生かし、唯一無二にまで高める技に迫る。

詳細情報
番組内容
華やかに細工され、ウニやトビコで彩られたイカ。出汁の余韻がふわりと残る漬けマグロ。福岡・北九州のすし職人・天野功(62)の握りは、日本料理がシンプルさを突き詰める中、緻密に考え抜かれた「たし算」の妙技。この冬、極上のサワラを手に入れた天野。地元漁師の思いを客に届けるため、その真価を引き出すための調理法を見つけ出す。すし一筋62年、涙もろくて頑固なプロフェッショナルの、年の瀬の挑戦に密着する。
出演者
【出演】すし職人…天野功,【語り】橋本さとし,貫地谷しほり


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