2019/02/23(土) 16:10〜16:55 NHKスペシャル「命をめぐる決断〜災害多発時代 神戸からの問いかけ〜」[字][再]


3時から3時半に1人の生存者を救出しました。
しかし そのあと向かった現場で→

判断に悩むことになります。
下半身が がれきに埋もれ動けない
70代の男性。
重傷を負い ひん死の状態でした。
装備は十分ではなく→
手作業で がれきを撤去するしか
ありませんでした。
せ~の!
作業をしながら 励ましの声をかけ続けたといいます。
男性は 次第に
反応がなくなっていきました。
声を絞り出し
「喉が渇いた」という男性に→
西山さんは 持っていた
缶コーヒーを飲ませました。
もう生きて助けることは
できないと感じた西山さん。
しかし その場を離れることは


できませんでした。
男性は息を引き取りました。
持っていたハンカチを顔にかぶせた西山さん。
既に日は暮れていました。
3時間をかけて7人の隊員が活動した この現場。
命を救うことはできませんでした。
更に記録を分析すると被害が大きかった地域で→
次々と生存者を
救出していた部隊があることが→
分かりました。
部隊を率いていた花山 昇さんです。
救助を求める声が相次ぐ中→
全ての人を助けることはできないと考えました。
生存の可能性が高いと
自ら判断した現場を→
優先して救助にあたるしか
ありませんでした。
誰かいませんか!
救助が必要な人の多くは→
大量のがれきに覆われ
姿が見えません。
生存を確認するために行ったのは
声かけでした。
中に人がいると分かっていても→
声かけに反応がなければ次へと向かいました。
その結果 たくさんの人が
救助を待っている現場に→
たどりつくことができました。
この日 花山さんの部隊は21人を救出。
花山さんのように→

優先順位をつけて救助活動を行った隊員たちが→
結果的に 多くの人を
助け出していたことが→
分かりました。
しかし 声かけだけの判断には危うさもあります。
意識を失っていたり
胸が圧迫されたりして→
声が出せなかった可能性も
あるからです。
助けを求める家族にとっては→
最後の願いを断ち切られることでもありました。
♪♪~
がれきの下にいた母親を→
消防に助けてもらえなかった
という女性です。
つらい記憶を
打ち明けてくれました。
東灘区にあった母親の家は
全壊しました。
女性は 近くにいた消防隊員に
救助を求めました。
消防隊員が去って 2時間後
近所の人が母親を救出。
その時は 息がありました。
その後 母親は搬送先の病院で亡くなりました。
消防が直面した 命をめぐる決断。
神戸市は 4年後に震災消防計画を作りました。
作成の中心を担った
鍵本 敦さんです。
目の前の人を救助するのか

それとも 優先順位をつけるのか。
現場で苦悩した隊員の一人です。
議論を重ね たどりついたのが救助効率優先の原則でした。
助ける人に優先順位をつけ
選別する→
救助現場でのトリアージの
先駆けとなる考え方です。
しかし 何をもとに生死を見極め
選別するのか→
具体的な判断基準を示すことは
できませんでした。
医療のトリアージは→
医師などが直接患者の状態を見て判断します。
一方 救助のトリアージには→
被災者の状態が見えないことが多い上→
消防隊員に判断が委ねられる
という難しさがあるのです。
阪神・淡路大震災から 24年。
今 救助のトリアージはどこまで広がっているのか。
今回 NHKは→