2019/02/23(土) 16:10〜16:55 NHKスペシャル「命をめぐる決断〜災害多発時代 神戸からの問いかけ〜」[字][再]


全国439の消防本部にアンケートを行いました。
大災害時 神戸と同様に
救助活動の現場で→
助ける人に優先順位をつける

方針を立てている消防は→
全体の31%でした。
しかし そのための具体的な判断基準については→
多くの消防が
作ることが難しいと答えました。
24年たっても


命をめぐる決断に悩む→
消防の姿が見えてきました。
3年前阪神・淡路大震災と同じ→
震度7の揺れに見舞われた熊本。
トリアージの具体的な基準がない中→
隊員一人一人の判断する力を
上げようとしています。
現在 生存者 生存者確認。
生存者救出中。
最も大きな被害があった
益城町で→
生後8か月の赤ちゃんを
助け出した現場。
赤ちゃん救出。
1名救出 1名救出。
救助にあたった消防隊員
小森博文さんです。
トリアージの必要性を
認識していた小森さん。
既に亡くなっていると
判断した現場では→
救助活動をせず
次へ向かいました。
その時 残された家族に
真摯に向き合うことが大切だと→
強く感じたといいます。
要救助者発見!
地震のあと 小森さんは→
トリアージの場面を想定した実践的な訓練を始めました。
泣き声のする赤ちゃんと

重傷を負った父親。
火災も迫る中 どちらを優先して
救助するかという想定です。
何を根拠に
優先順位を決めたのか→
どう説明するのか
若い隊員に問いかけます。
そこで…
一刻を争う状況で的確に判断し根拠を説明する。
訓練を重ねることで→
その力をつけてほしいと考えています。
頑張れよ! 絶対 出すからな!
絶対 助けるから 絶対 助けるぞ!
もうちょっと だからな
頑張れよ!
ちょっと こっちの方
傾いてきてるから→
これ ロープか何かでもいいから
向こう引っ張りましょうか。
崩落危険 注意だぞ!
崩落危険 注意な!
よし! 要救助者確認!
要救助者確認。
カメラ挿入!
よし! カメラ挿入。
カメラ挿入。
もうちょっとだぞ 息吸えよ!ほら 頑張れ!
もうすぐ出れるからな!
絶対 出れるからな。頑張れよ! 大丈夫だからな。
すぐ楽になるぞ 頑張れよ!

絶対 助けるから 頑張れよ!
これまで作られてこなかった
救助のトリアージの判断基準。
今 新たな動きが出ています。
全国の消防隊員の有志3,000人が参加する研究会です。
去年11月 初めて 基準を
明文化できないかと提言しました。
研究会が示した案です。
声かけへの応答や脈があるなど要救助者の生命反応が確認できる。
救出に予想される時間が短い。
こうした現場を優先するというものです。
研究会の代表を務める消防隊員
八櫛徳二郎さんです。
阪神・淡路大震災や
東日本大震災で→
活動した隊員から 現場での経験を
聞き取ってきました。
災害が多発する今こそ→
トリアージの具体的なイメージを社会全体で→
共有する必要があると
考えたのです。
八櫛さんの危機感の背景には→
去年 一般市民に対して行った聞き取り調査の結果がありました。
大災害時における 消防の
トリアージの必要性については→
全員が 理解できたと答えました。
ところが 実際に 自分の家族が→
トリアージで
救助されないとなると→
ほぼ全員が 了承はできないと