重点的に取り組んでいます。
塔が完成すれば バルセロナの風景が

変わるでしょう。
サグラダ・ファミリアの完成には
技術的な難問が いくつもあります。
計画では 塔は 階ごとに建てられ
各階は あらかじめ組み立てられた→
パネルで構成されます。
パネルは 16の石材からなります。
4つの塔では 内側に
らせん階段をつくりながら→
建てていかなくてはなりません。
大きな塔には 精巧な石の装飾と美しい ステンドグラスが施されます。
チームは ガウディ没後100年の
2026年までの完成を目指しています。
まず必要なのは 建築資材である
石材の調達です。
ガウディの時代には 近くにある
「ムンジュイック採石場」から→
切り出した石を使っていました。


ムンジュイックでとれる石は赤 灰色 黄色 オレンジがかった茶色や→
濃い灰色など 色彩豊かなのが特徴でした。
しかし ムンジュイックの採石場は既に閉鎖されています。
他の場所から 同じように 色彩豊かな石を
調達してこなければなりません。
ガウディの世界観を
守らなければなりません。
塔は さまざまな種類 さまざまな色の
石材を混ぜて→
建築が始まったころと
同じ壁面をつくることを目指しています。
近くに寄ると
それぞれ違った色に見えますが→
離れて眺めると 全体で統一された色に
見えるようにするんです。
そんな塔を目指しています。
ミレーは 世界の70の採石場から石を調達しています。
ブラジルから 青い石。
イランから 赤い石。
イギリスから
茶色と黄色の中間のような色をした石。
といった具合です。
サグラダ・ファミリアに石材を提供してほしいと→
最初に連絡を受けた時は
まさか本当だとは思いませんでした。
この採石場から 毎週300トンを超える石が
サグラダ・ファミリアに送られています。
サグラダ・ファミリアを完成させるには
私たちが提供する石の質が→
とても重要になります。

石に 強度と弾力性がなければしっかりとした塔を→
建てることはできません。
崩壊してしまいます。
石を切り出すには 高い技術が必要です。
内部に ほんの僅かな亀裂が入っただけで悲惨な結果を→
もたらすことになるからです。
石には 自然に生じた細かい裂け目が走っています。
その裂け目を うまく利用して
切り出すのがコツです。
ここを切り出すのね?
ええ あっちの石と合うようにします。
アームストロングが信頼を寄せているのは
発破技士のミック・トゥーティルです。
プレッシャーをかけるつもりはないけど
全ては 彼の肩にかかっています。
穴を掘って それから 火薬を詰めます。
ごく小規模な爆破ですから既に 石に入っている割れ目以上の→
ダメージを与えることはありません。
大きな爆破とは違います。
これを きれいにやってのけるのが
腕の見せどころです。
爆破によって 10トンの石が
切り離されました。
この石を慎重に岩肌から離します。
アームストロングたちは 全部でおよそ12万トンもの 完璧な石材を→
サグラダ・ファミリアに
届けなくてはなりません。
急ピッチで進めていますが
精密な作業ですから→
そうは急げません。

うちは 家族経営で行っている小さな採石場です。
恐れ多いと同時に とても光栄なことだと
思っています。
世界有数の巨大建造物に
石材を提供しているんですから。
石材は バルセロナ郊外の
資材置き場に運ばれます。
技術責任者のフェルナンド・ヴィラは
石材一つ一つの強度をチェックします。
サグラダ・ファミリアは
永久に残る建物です。
これらの石材が それに見合うものか
確かめるのが 私の仕事です。
ヴィラたちは 石材からサンプルを
取り出します。
このテストでは 石のサンプルに
荷重をかけます。
塔に用いるには 最低でも 15トンの荷重に
耐えられなくてはなりません。
圧縮試験機で 強い圧力をかけていきます。